目の病気

糖尿病網膜症ってどんな病気?

※この記事は患者さん向けの記事です。

タイトルにある”糖尿病網膜症”という言葉はあまり聞きなれない病気かもしれません。しかし、その患者数は意外と多くいます。数年前のデータにはなりますが、日本人の約1,000万人(日本国民の約12人に1人)が糖尿病であるという報告がありますり1。さらに、50~60 歳代の糖尿病患者のうち、38.3%の割合で糖尿病網膜症を合併していることが報告されています2。つまり、糖尿病網膜症は約383万人がなる病気で、1クラス(30人程度)に1人はいる計算になります。そんな意外と身近に存在する『糖尿病網膜症の要点』をまとめていきます。

糖尿病網膜症とは

糖尿病網膜症は、糖尿病腎症・神経症とともに糖尿病の三大合併症の一つです。日本では成人の失明原因の上位に位置しています。

網膜は目の奥にある薄い神経の膜で、目に入ってきた情報を映し、その情報を脳に伝える重要な役割をしています。ちょうどカメラのフィルムのような役割です。網膜には細胞と神経、神経を栄養する血管が走っています。糖尿病では血糖値が高い状態が続きます。血糖値が高い状態が続いてしまうと、血管は傷つき、時に血管が詰まってしまいます。血管が詰まると、栄養や酸素が詰まった先に行き渡らなくなるため、新しい血管を作る(新生血管)ことで栄養や酸素を行き渡らせます。

しかし、この新生血管は新しく作られたものであるため、元々ある血管よりも弱く、簡単に破れてしまいます。血管が破れると出血が起こり、その出血が固まることが原因で網膜剥離などを引き起こしてしまいます。

糖尿病を発症して数年から10年以上後に糖尿病網膜症は現れます。しかし、なかなか自覚症状はないので、症状が出て初めて眼科を受診される場合があります。症状が出始める頃には糖尿病網膜症はかなり進行している可能性があります。糖尿病網膜症が進行している場合、その治療をしても視力等は改善しない場合があります。ですから、糖尿病と診断された人は、目の症状がなくても定期的に眼科を受診し、目の奥の検査(眼底検査)等を受けるようにしましょう

参考文献

1.平成28年「国民健康・栄養調査」

2.厚生労働省糖尿病調査研究班による合併症調査(平成 2 年)


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ドクターK
オンライン眼科編集長兼眼科医プロライター/祖母の死→医師を目指す→一浪し眼科医/プロライターとしても500以上の記事を執筆/目の健康、眼科に関する記事をほぼ毎日作成/一緒にお仕事して下さる方はDMして下さい!目の健康に関する情報よ全国へ届け!