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網膜細動脈瘤 | オンライン眼科
網膜とその疾患

網膜細動脈瘤

網膜細動脈瘤とは

第3分枝以内の網膜動脈に認め、網膜動脈の分枝部や動静脈交叉部の動脈から突出して観察されることが多い。網膜細動脈瘤からの滲出や出血により、形態変化および機能障害を生じる。耳側に多く、片眼単発性が多い。高齢女性に好発する。リスクとして高血圧動脈硬化が挙げられる。

網膜細動脈瘤の症状

滲出や出血が黄斑部に及べば視力低下や歪視を生じうるが、自覚症状はないことが多い。

網膜細動脈瘤の診断

1.眼底検査

網膜細動脈から突出した赤色または灰白色の塊としてみられる。周囲に出血や浮腫、硬性白斑を伴う。しかし、出血や滲出によっては網膜細動脈瘤を特定できない場合がある。細動脈瘤が自然拍動する場合は出血の危険性が高いとされる。

Florida Retina Center HPより引用

2.蛍光眼底造影検査

網膜細動脈瘤を特定できない場合にはフルオレセイン蛍光眼底造影検査(FA)やインドシアニングリーン蛍光眼底造影検査(IA)が診断に有用とされる。FAあるいはIAで網膜動脈から連なる瘤状の過蛍光があれば診断できる。

蛍光色素の漏出や組織染による過蛍光が強い場合には動脈瘤の血管透過性が亢進していて活動性のある所見と判断する。しかし、FAよりIAの方が動脈瘤から蛍光漏出は弱いので、IAで過蛍光なら、より活動性が高いと判断できる。FAよりもIAの方が出血の影響を受けにくいため、動脈瘤周囲の出血が多い場合はIAの方が動脈瘤を検出しやすい

Reshearch Gate HPより引用

3.光干渉断層計(OCT)

網膜浮腫や漿液性網膜剥離を確認でき、出血も網膜前か網膜下か確認できる。

網膜細動脈瘤破裂による出血の局在と視力予後

網膜細動脈瘤破裂による出血の局在と視力予後の関係は、硝子体出血ILM下出血は視力予後良好だが、網膜内出血は黄斑部が菲薄化するため視力予後は不良とされる。

SMHに網膜内出血を合併するとfluffy signという血腫周囲に毛羽立ちを認める。

網膜細動脈瘤の治療

方針としては

  • 滲出や出血→内服薬
  • 滲出が黄斑部に及びそれが自然寛解しない場合、あるいは黄斑部に及び恐れがある場合→網膜光凝固(動脈瘤の表面がわずかに灰白色に変色する程度でよい)
  • 網膜下出血が黄斑部に及ぶ→硝子体内ガス注入による血腫移動術
  • 網膜前出血が黄斑部に及ぶ→硝子体手術

網膜細動脈瘤の予後

網膜細動脈瘤は自然寛解傾向があるが、中心窩網膜が障害されず、出血が除去されると視力予後は良好である。

参考文献

  1. 今日の眼疾患治療指針第3版
  2. 第74回日本臨床眼科学会シンポジウム2黄斑手術のパラダイムシフト
  3. 眼科学第2版

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