皆さん、昨日はよく眠れましたか?仕事が忙しいと睡眠時間を確保するのが難しいときありますよね。
今回はそんな睡眠不足がドライアイの症状を悪化させるかもしれない、という論文を見つけたので紹介します。
今回紹介する論文は大阪の研究でして、題して『大阪スタディ』。2016年にMotoko Kawashimaらが「The association of sleep quality with dry eye disease: the Osaka study」というタイトルで発表しています。
この研究はパソコン等を用いた仕事をする、26-64歳の計672名を対象としています。結論を見てみると、
In conclusion, although larger longitudinal or interventional trials are necessary, we found that sleep quality is associated with DED. A sleep disturbance seems to be an influencing factor on DED, especially on dry eye symptoms.
とあります。これを和訳すると、より大きな縦断的あるいは介入的な試行は必要だけれども、睡眠の質はドライアイと関連があったことが分かりました。
そして、睡眠の乱れは特にドライアイの症状に影響するようです。
では、どのくらい睡眠不足になるとドライアイになるのか。
この論文では睡眠障害の評価として広く使われるピッツバーグ睡眠質問票(PSQI)を用いており、下のFig1を見て分かる通り、睡眠の質が良いほどドライアイの自覚症状は軽減しています。
ただ、興味深いのはFig2で、ドライアイの診断で重要なBUTや眼表面の染まりは特に有意差はないとのことでした。
睡眠障害がドライアイの症状をブーストする一方、ドライアイの他覚所見をブーストしないのは、睡眠障害により症状の捉え方が変わっているのかもしれません。
「最近ドライアイの症状が強いな」と思った方は自分の睡眠を一度見直す良い機会かもしれません。
最近は不眠外来を標榜しているクリニックや病院も増えてきましたので訪ねてみても良いかもしれませんね。
それではまた次回の記事でお会いしましょう!