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眼内コンタクトレンズについてまとめてみた | オンライン眼科
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【2023年度】眼科医が眼内コンタクトレンズ(ICL)を徹底解説!

ドクターK
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・眼内コンタクトレンズ(ICL)ってどんな治療なの?

 

・眼内コンタクトレンズ(ICL)って安全なの?

 

・眼内コンタクトレンズ(ICL)はいくらくらいかかるの?

と疑問をお持ちの方の悩みを解決できる記事になっています。

もくじ

眼内コンタクトレンズ(ICL)とは

眼内コンタクトレンズは目の内にレンズを入れることで視力を矯正し、必要に応じてそのレンズを取り出すことができる画期的治療です。

  • インプランタブルコンタクトレンズ(以下ICL)
  • 有水晶体眼内レンズ
  • フェイキックIOL

とも呼ばれます。

手術による傷口は白内障手術と同程度(3㎜程度)であり、非常に安全な治療方法とされています。手術時間は20-30分程度であり、術後数日で日常生活を快適な視力を裸眼で過ごすことができます。

眼内コンタクトレンズの歴史

眼内コンタクトレンズの研究は1970年代より開始され、実用化は1986年より開始となりました。その後、1997年ヨーロッパでの承認・認可を皮切りに、世界各国で使用されるようになり、2010年に日本でも厚生労働省に認可されました。

レンズ自体も改良が進んでおり、現在使用されているレンズは眼圧が上がりづらく、ハローグレアが少ないレンズとなり、夜間の視力向上改善されてきています。

眼内コンタクトレンズの特徴(メリットも)

眼内コンタクトレンズの特徴はレーシックと比較すると分かりやすいです。

レーシックについて知りたい方は↓もご覧ください。

【2023年度】眼科医がレーシックを徹底解説!レーシックについて皆さんはどのようなイメージをお持ちですか?レーシックは痛ましい事件もあり、その後から悪いイメージも持たれるようになりました。そこで、この記事ではレーシックについて解説することにしました。レーシックについて知りたい方は必見です。...

さて、眼内コンタクトレンズの特徴は下記の6つです。

  1. 鮮やかな見え方
  2. ドライアイになりにくい
  3. レンズを取り外し可能
  4. 短い手術時間で回復も早い
  5. 幅広い範囲の近視に対応可能
  6. 紫外線をカットできる
  7. 近視の戻りが少ない

1.鮮やかな見え方

レーシックと異なり、角膜を削ることがないため、夜間などの見え方は良好とされています。

2.ドライアイになりにくい

レーシックおよび眼内コンタクトレンズはいずれも角膜に傷をつけます。レーシックでは広範囲に角膜を削るのに対し、眼内コンタクトレンズでは数㎜程度しか角膜を削りません角膜の神経に傷付いてしまうと、ドライアイの原因になってしまいます。そのため、レーシックに比べて眼内コンタクトレンズはドライアイを訴える患者さんが少ないとされています。

3.レンズを取り外し可能

今までの屈折矯正手術では、手術後に不自由さを感じても元の状態に戻すことはできませんでした。しかし、眼内コンタクトレンズの治療はレンズを取り外して元に戻すことができます。年齢によって度数が進行したり、新しい矯正方法が登場しても、レンズを交換したり、新しい治療方法にいこうすることができます。

4.短い手術時間で回復も早い

眼内コンタクトレンズの手術では約3㎜の小さい切開を入れ、そこからレンズを挿入します。これは現在行われている白内障手術と似ているところがあり、確立された方法です。手術中は目薬で麻酔をし、通常であれば20-30分程度で終わります。術後も数日すれば裸眼で日常生活を送ることができるようになります。

5.幅広い近視に対応可能

日本眼科学会が発表している第7版のガイドライン(ダウンロードは下記より)によれば、レーシックは10D以上の近視は手術不適用とされていました。一方で、眼内コンタクトレンズは15D以上では慎重な適応と記載がありますが、10Dを超える強度近視でも治療することが可能となりました。また、角膜の厚さによってはレーシックを行うことはできませんでしたが、眼内コンタクトレンズでは手術できるようになります。

6.紫外線をカットできる

眼内コンタクトレンズで使用するレンズは、紫外線をカットするとされています。紫外線は加齢や白内障の原因になりますので、とても有効だとされています。

7.近視の戻りが少ない

近視の戻りはレーシックで見られる現象で、レーシック手術をすると数年で、元の近視の状態に戻ってしまう状態のことを言います。眼内コンタクトレンズではこの近視の戻りは起こらないとされています。

眼内コンタクトレンズのデメリット

手術なのでデメリットもあります。大きくはこの6つが挙げられます。

  1. ハロー・グレア
  2. 白内障
  3. 閉塞隅角緑内障
  4. 度数ずれ
  5. 角膜内皮細胞障害
  6. その他

1.ハロー・グレア

1のハロー・グレアに関してはレンズの改良により出づらくなっていますが、強度近視ほどレンズ径が縮小されているので、ハローなどの症状を感じやすくなる。

  • ハロー:夜間や暗いところで光を見たときに、光の周囲に光の輪が見える。
  • グレア:光がぎらついたり伸びたりして、まぶしく見える。

2.白内障

ICLと水晶体が触れたり、房水の流れが悪くなると代謝異常により水晶体が白く濁ることがあります。白内障になった場合は眼内コンタクトレンズを取り出し、白内障手術を行います。

3.閉塞隅角緑内障

眼内コンタクトレンズ挿入により、隅角が閉塞して緑内障をきたすことがあります。

4.度数ずれ

予想した度数とずれが生じ、期待する視力が出ない場合があります。

5.角膜内皮細胞減少

眼科手術では起こる合併症ですが、他の手術に比べ角膜内皮細胞の減少は緩やかと考えられています。

6.その他

頻度は少ないですが、上記以外にも眼内炎、網膜剥離、近視性網脈絡膜萎縮、虹彩切開による光視症などが起こりうるとされています。

眼内コンタクトレンズの適応と禁忌

1.眼内コンタクトレンズの適応

眼内コンタクトレンズにも適応条件(治療できる条件)は大きく4つあります。

  • 21歳~45歳まで
  • 3D以上の中等度近視および近視性乱視(6D以上15D未満の近視が良い適応で、乱視矯正も4Dまで可能である。)
  • 過去1年の近視の度数が安定して変動が0.5D以内であること
  • ドライアイにならない治療方法を望んでいる

※レーシックは弱度~中等度近視で、ICLは強度近視で適応となることが多いが、何Dで治療を使い分けるかは施設によって異なる。

これらの適用基準に当てはまる患者さんがこの眼内コンタクトレンズの治療対象になります。しかし、あくまでこの条件は原則であり、年齢が前後したり、近視の程度が前後しても治療可能な場合があります。詳しくは眼科医に相談ください。

2.眼内コンタクトレンズが禁忌になる方

眼内コンタクトレンズの適応については分かっていただけたかと思います。一方、眼内コンタクトレンズが禁忌(手術できない)になる方は下記の通りです。

  • 進行性円錐角膜
  • 活動性の眼外部炎症
  • 白内障
  • ぶどう膜炎や強膜炎に伴う活動性の内眼部炎症
  • 重症の糖尿病や重症のアトピー性疾患など、創傷治癒に影響を与える可能性の高い全身性あるいは免疫不全疾患
  • 妊娠中または授乳中の女性
  • 浅前房および角膜内皮細胞障害

3.実施に慎重を要するもの

下記に当てはまる場合は

  • 3D以上6D未満の中等度近視および15Dを超える強度近視
  • 緑内障
  • 全身性の結合組織疾患
  • ドライアイ
  • 矯正視力が比較的良好で、かつ非進行性の軽度円錐角膜症例
  • 円錐角膜疑い

眼内コンタクトレンズの手術費用例(単位:円)

2020年9月29日時点の料金表です。この価格から変動することはもちろんあります。

あおば眼科クリニック

価格表(税抜)
乱視なし 400000
乱視あり 440000
多焦点レンズ 500000

新宿近視クリニック

価格表(税抜)
ICL-5D未満 419000
ICL-5D以上 489000
乱視用 上記に+100000

高山眼科

価格表(税抜)
乱視なし 640000
乱視あり 740000

名古屋アイクリニック

価格表(税抜)
乱視なし 770000
乱視あり 825000

ゆかり眼科

価格表(税抜)
ICL-5D未満 419000
ICL-5D以上 489000
乱視用 上記に+100000

和田眼科

価格表(税抜)
乱視なし 560000
乱視あり 600000

眼内コンタクトレンズとコンタクトレンズの費用比較

眼内コンタクトレンズとよく比較されるのが、通常のコンタクトレンズとのコスパです。

ここでは1DAYタイプのコンタクトレンズとコスパを比較します。

乱視なしの状態で考えると、上の費用から眼内コンタクトレンズは40~80万円程度です。

一方で、コンタクトレンズは1年で5万円くらいですから、同じ40から80万円かかるのは8~16年ほどになります。

眼内コンタクトレンズを取り外す一つの目安が白内障手術ですが、これは70歳前後からやり始める人が多くなります。

また、手術の適応が原則21歳から45歳ですから、仮に45歳で眼内コンタクトレンズの手術をやったとしても60歳くらいまで使えれば15年になります。

白内障手術を考慮しても眼内コンタクトレンズの方がコスパは良いと思います。

45歳でさえコスパが良いので、21歳で行えばとてもコスパが良いと考えられます。

ただし、眼内コンタクトレンズの度数が変化すれば再度手術が必要になります。保証期間内でなければ料金がかかりますので、その点は留意しておく必要があります。

眼内コンタクトレンズのQ&A

Q.眼内コンタクトレンズはどんな人に向いていますか?

A. 眼内コンタクトレンズ治療は強度近視や乱視があり、21歳以上で度数が安定している方が対象となります。ただし、目の状態によっては適応がない場合もあります。詳しくは下記に記載した眼科医にご相談ください。

Q.眼内コンタクトレンズが向かない人はいますか?

妊娠中、授乳期間中は度数が安定しないため治療は向きません。また、隅角という目のスペースが狭い人はレンズを入れることができない恐れがあります。

Q.眼内コンタクトレンズが向かない人はいますか?

妊娠中、授乳期間中は度数が安定しないため治療は向きません。また、隅角という目のスペースが狭い人はレンズを入れることができない恐れがあります。

Q.レンズは他の人から見えますか?

いいえ、見えません。自分からも他の人からも見えることはありませんが、特別な検査機器を使ってみることができます。

Q.レンズが目の中に入っているような感じがしたり、レンズがくもったりしますか?

いいえ、感じませんし、くもったり汚れたりすることはありません。

Q.手術後の日常生活の制限はありますか?

A.制限はありますが、病院によって異なります。また、患者さんの目の状態によっても異なることが多いです。目安についてはこちらの記事をご覧ください。

眼内コンタクトレンズの相談はこちら

参考文献

  1. STAAR SURGICAL HP
  2. あおば眼科クリニックHP
  3. 新宿近視クリニックHP
  4. 高山眼科HP
  5. 名古屋アイクリニックHP
  6. ゆかり眼科HP
  7. 和田眼科HP
  8. 屈折矯正手術のガイドライン(第7版)(242KB)

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