皆さんはこう思っていらっしゃいませんか?これらは誤った目薬のさし方です。目薬のさし方に自信がない人はぜひこの後の内容も読んでみてください。
目薬の上手なさし方~げんこつ法~
早速ですが皆さんは目薬を上手にさせていますか?
患者さんはよくこのようなことを仰ります。もちろん目薬が清潔な状態で目薬が1滴入ればそれで構いませんが、なかなか目薬が入らないという方には”げんこつ法”という方法をやっていただいています。
やり方は非常にシンプルです。目薬をさすのが難しい方は下記の流れに沿ってやってみてくださいね。
- 手や指に付いているバイ菌やゴミが目に入らないよう、まず手を石けんと水でよく洗います。
- 目薬を持っていない方の手でげんこつを作ります。げんこつを下まぶたに当て、まぶたを軽く下に引きます。
- 目薬を持った手をげんこつに乗せ、目薬を1滴入れます。目薬が入ったら目を閉じて目頭を押さえます。
- 涙として流れた目薬をふき取ります。
目薬がなかなか入らないという方はこのげんこつ法を試してみてはいかがでしょうか。イラストを交えた、げんこつ法の分かりやすい説明が参天製薬のHPに載っていますのでそちらも参考にしていただければと思います。
目薬をするときの注意事項
目薬に関する注意事項は3つありますので、全て守れているかを確認してください。
1.目薬は近づけすぎず遠ざけすぎず
皆さんはどのくらいの高さから目薬をさせば良いか分かりますか?
目薬を確実に入れるために目ギリギリまで容器を近づける方がいますが、しかし、これでは目ヤニや細菌などが目薬に付着してしまうかもしれません。。
逆に、目から10㎝も離す人がいますが、そんなに高くからではなかなか目薬が入りません。
おススメは目から3~4㎝は離してさすです。そうすれば目に汚れが入らなくなりますし、目薬も確実に入るでしょう。
2.目薬は1回1滴で十分
このように思われる方は多いです。
しかし、目薬は1回に何滴さしても効果が変わらないばかりか、逆に副作用が出やすくしてしまいます。
だから、1回1滴で十分なんです。
そもそも1滴の目薬の5分の1程度しか目には貯まりません。それ以外は涙の通り道(涙道)や目から涙として出て行ってしまいます。
そして、僕ら眼科医は目薬を1回1滴以上さしているかだいたい分かります。1日2回両眼に使う目薬であれば約1ヶ月もちます。このことを知っているので「あ、この患者さんは1回4滴も5滴もさしてるな」ということが分かります。
3.目薬の保存方法を必ず守る
目薬にはその薬によって保存方法が決まっています。注意すべきは以下の通りです。
- 室温で保存できるのか、あるいは冷蔵庫内で保存するのか
- 遮光(光を避ける)の必要があるのか
- 開封後1ヶ月経っていないか
上2つは目薬の品質を担保する上で重要です。また、消費期限があるのはもちろんですが、開封後1ヶ月を過ぎると、たとえ防腐剤が入っていても、目薬内にバイ菌が繁殖してしまいます。
バイ菌が繁殖した目薬をさしてしまうと感染症などを引き起こす恐れがあります。このように、目薬は食材と同様、保存方法と消費期限がとても重要になります。
目薬に自信のない方へ
最後になりますが、目薬をさすことにどうも苦手意識がある方いらっしゃいます。そこで、僕がオススメしているのは目薬の補助具です。
お年寄りやお子さんはなかなか思うように目薬をさせません。この補助具を使えば片手で目薬をさせますし、目と目薬の間に適度な距離があるためバイ菌が増えることを防げます。
「目薬さすのが苦手だな」という方は使ってみてはいかがでしょうか。
おわりに
目薬一つ取っても非常に奥が深いことが分かっていただけましたか?なんとなく目薬をさして問題がなかった人もいるでしょう。しかし、適当に目薬をさしていたら、いつかそのしっぺ返しがくるかもしれません。
この記事を読んだらすぐに、あるいは次に目薬をさす時に、自分の目薬はどうだっだか確認してみてください。
「目薬を何滴もさしていたな。あれはむしろ逆効果なんだ」「開封後3ヶ月くらい使ってたけど、1ヶ月で捨てないといけないんだな」と気付いていただけたら、余計な目の病気にならずに済むかもしれません。