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IgG4関連眼疾患とは
血清IgG4(135㎎/dL以上)が上昇し、全身諸臓器にリンパ形質細胞浸潤を伴う結節や腫瘤、臓器腫脹などの病変を認める疾患である。眼科領域では涙腺腫大、三叉神経周囲腫瘤、外眼筋腫大が3大病変とされる。男女差はなく、平均年齢は約60歳で、20歳未満には稀とされる。
IgG4関連眼疾患の症状
涙腺腫大による眼瞼腫脹が典型的な症状で、しばしば対称性の唾液腺腫大(Mikulicz病)を伴う。その他、外眼筋運動障害による複視や、視神経症による視力低下や視野障害をきたすことがある(数%程度)。
IgG4関連眼疾患の診断
血清IgG4値の上昇およびCT等の画像検査を確認し、眼窩病変の病理でIgG4染色陽性リンパ形質細胞浸潤が確認されれば診断は確定する。IgG4値が500mg/dLを超えるような高値の症例では、全身病変の併発や眼病変による視機能悪化に留意すべきとされる。
IgG4関連眼疾患の治療と予後
標準治療はステロイド内服漸減療法で、プレドニゾロンの場合は0.6mg/kg/dayを2週間ごとに10%ずつ漸減し、維持量10㎎/dayとして最低3カ月継続する。視神経症による視機能異常が著しい場合にはステロイドパルス療法(1回500㎎1日1回3日間を1クールとし、1ー3クール投与する)を行う。一般的にステロイド治療への反応性は良好だが、ステロイド漸減中に再燃することもある。
病変が眼局所あるいは全身投与が望ましくない症例には、涙腺摘出やステロイド局所投与などを行う。また、ステロイド全身投与抵抗例に関しては、リツキサン®など免疫抑制剤の投与を行うこともある。
参考文献
- 今日の眼疾患治療指針第3版
- Diagnostic criteria for IgG4-related ophthalmic disease
- Clinical features and symptoms of IgG4-related ophthalmic disease: a multicenter study
- Location and frequency of lesions in patients with IgG4-related ophthalmic diseases
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