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テクノストレス眼症(IT眼症)とは
スマホ、パソコン、ゲームなどを長時間、悪条件下で行っていると、視覚系(特に眼)を中心として、身体的、精神的な様々な症状が出現するものをVDT(visual display terminals)症候群と呼ぶ。
以前、このVDT作業はオフィスワーカーのみだったが、ITの進歩により急激に増加しているため、テクノストレス眼症(IT眼症)と呼ばれるようになってきた。
さらに、3DやVRなどの技術の普及によって、その患者数は増加すると考えられている。
テクノストレス眼症(IT眼症)の症状
A.自覚的症状
自覚症状は多彩であり、下記の症状がありうる。
1.身体的症状
- 眼の疲れ
- 眼の痛み
- 眼の乾き
- かすむ
- 頚、肩、腕、手指のこり
- 腰痛
- 全身倦怠感
- 手足のしびれ
- 生理不順
2.精神的症状
- 不眠
- うつ
B.他覚的症状
- 作業中の瞬目減少、作業後の瞬目増加
- ドライアイ
- 作業後に調節、縮瞳、輻輳の近見反応の共同性が崩れることで3要素の同時誘発の不一致
テクノストレス眼症(IT眼症)の検査
- 作業時間
- 眼症状以外の症状
- 精神状態
- 服用歴(向精神薬、抗アレルギー薬)
を問診すると同時に、下記他覚的検査を実施する。
- 屈折検査・視力検査:症状が重いときはサイプレジン点眼による測定を行う。
- 眼位検査:若年者では、調節因子が関与する内斜視あるいは内斜位は、眼症状だけでなく、頭痛、肩こりの原因となる。40歳以上を過ぎると、輻輳不全型外斜視(あるいは斜位)や老眼の矯正に伴う眼位異常が出現しやすい。
テクノストレス眼症(IT眼症)の治療
1.作業環境の改善
下記の中で改善及び取り入れることができるなら実施するよう努める。
- 1時間ごとに10~15分の休憩を入れ、休憩時間は近くをみないようにし、体を動かしたり、ほぐしたりする。
- 眼とコンピューターの位置は40~70㎝離し、視線はやや下向きになるようにする。
- 直射日光を避け、室内照明は十分明るくなるようにする。
- 冷暖房の風に直接当たらないようにし、換気を十分に行う。
2.眼科的治療
上記を行うと同時に、眼科的異常があればその加療を行う。
- 屈折異常の矯正
- 薬物治療:人工涙液(ソフトサンティア)、角膜保護薬(ジクアス、ヒアレイン、ムコスタ)、眼精疲労治療点眼薬(サンコバ)を用いたり、調節けいれん治療点眼薬(ミドリンM)を就寝前に1回投与することがある。
3.その他の治療
- 筋骨格系の治療:机、椅子などを改善し、姿勢を整える。軽度の体操や散歩、ストレッチなどを取り入れる。温熱療法や湿布なども有効とされる。
- 精神的問題の治療:カウンセリングを行い、専門的な治療は精神科医と連携を取る。
参考文献
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