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コンタクトレンズフィッティング検査
適切なCLのベースカーブ、直径などを選択する。
- 正面視でセンタリングを見て、瞬目させてCLの動きが適度かを見る。
- 上方視させてセンタリングを見て、瞬目させてCLの動きを見る。
- 角膜を十分に覆っているかを確認し、下方へずれる場合にはベースカーブを大きくし、逆に上方にずれる場合にはベースカーブを小さくする。
- 動き少ない場合は、下眼瞼を押し上げてプッシュアップテストを行う。
- ソフトコンタクトレンズであれば結膜を圧迫していないか、周辺部で結膜に段差ができていたり、結膜血管に脈流が見られたりする場合には、フィッティングタイトのため別のソフトコンタクトレンズに変更する。
- ガス透過性ハードコンタクトレンズであれば、フルオレセイン染色を行う。
コンタクトレンズの検査
レンズの検査は、装用させたまま観察するか、実体顕微鏡で観察する。ガス透過性ハードレンズの場合、空気でレンズを乾かし、実体顕微鏡で観察するとCLの傷や汚れが観察しやすい。ソフトコンタクトレンズは乾燥できないので、装用させたまま細隙灯顕微鏡で観察する。
ハードCL(HCL)のfitting
HCLのfittingをチェックする際、HCL中央部とHCL周辺部のHCLの染まり方からfittingを評価する。
HCL中央部
ベースカーブと角膜中央のfittingを評価している。
左から頂点クライアンス、頂点アライメント、頂点タッチ
HCL周辺部
周辺カーブとベベル(レンズの周辺部のこと)のデザインを評価している。
左からベベル幅狭い、適正、広い
その他にも、CLの直径はセンタリングや動き、涙液交換に影響を与えるため大切な評価項目である。HCLのfitting評価方法は頂点クライアンス法と頂点アライメント法がある。
- 頂点クリアランス法:上方の角膜も上眼瞼に覆われないほど瞼裂が広い症例が良い適応となる。周辺カーブの一部が角膜に接触していて良好なセンタリングが得られやすいが、涙液交換が妨げられたり、ガス透過性の高い素材だとレンズがたわむ可能性がある。
- 頂点アライメント法:CLの上端が上眼瞼の下に入る、つまり上眼瞼が角膜の上方を覆っている症例が良い適応となる。頂点クライアンス法に比べるとセンタリングがやや不安定となり、異物感が出やすい可能性がある。
HCLの直径
HCLの直径はfittingに影響する。
レンズの直径が小さい場合:
- 上眼瞼との接触が十分でなくなり、瞬目でも十分にレンズが引き上げられず下方安定の原因になる。
- 直径が小さいと重心が前に移動し、レンズが滑り落ちやすくなる。
レンズの直径が大きい場合:
- 重量が増加するためレンズが下方に落ちやすくなる。
ソフトコンタクトレンズ(SCL)のfitting
瞬目やpush-upテストでレンズの動きを判断し、良好でない場合には、曲率半径や直径を変更する。
Push-upテスト
SCLと目のfittingをチェックするために行う。下眼瞼を指で押し、SCLを上に移動させることで可動性を確かめる。
参考文献
- クオリファイ6コンタクトレンズ自由自在(専門医のための眼科診療クオリファイ)
- 今日の眼疾患治療指針 第3版
- あたらしい眼科Vol37,No12,2020
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