眼科で行う検査

眼底検査

ドクターK
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・眼底検査ってどんな検査なの?

と疑問をお持ちの方の悩みを解決できる記事になっています。

眼底検査とは

視神経乳頭の評価および眼底疾患全般における眼底観察するために行う検査で、直像鏡を用いた眼底検査と倒像鏡を用いた眼底検査がある。

直像鏡による眼底検査

直像鏡では観察のために凸レンズは不要である。

また、直像鏡のメリット・デメリットは下記の通り。

直像鏡のメリット vs デメリット

メリット

  • 解像度が優れている。
  • 詳細に所見をとらえることができる(倍率が15倍)。

デメリット

  • 観察視野が狭く、眼底周辺部の観察は困難である。
  • 習熟に時間を要する。

このようなデメリットがあるため、現在は倒像鏡の眼底検査が普及しているが、高倍率かつ高解像度の診察が必要な時、特に視神経の観察においては重要視されている。

具体的な観察方法

被検者には前方3~5mで、少し目線を上げてもらい、同じところを見てもらう。

検者は被験者に対して斜め前方に立ち、右眼を観察する時は右眼で、左眼を観察するときは左眼で観察する。

マイナスレンズは赤、プラスレンズは緑で本体に表示されるので、それを調整してピントを合わせる。

倒像鏡による眼底検査

1.単眼倒像鏡検査

Bonnoscope®(ボンノスコープ)などの単眼倒像鏡を用いて観察する。

単眼倒像鏡検査のメリット vs デメリット

メリット

  • 直像鏡に比べて習熟が容易である。
  • 視野が広く、通常の散瞳径が得られれば周辺部眼底まで評価できる。
  • 小瞳孔例、中間透光体混濁があっても、照明光の光束を変えて工夫をすれば、ある程度の眼底評価が可能である。

デメリット

  • 立体視ができない

具体的な観察方法

単眼倒像鏡を持って、倒像鏡の先端付近を聴き目の眼窩下縁付近で固定する。

もう一方の手の親指と人差し指を用いて集光レンズをしっかりと持って固定する。

集光レンズと被験者の距離は1.5~2㎝のところから徐々に離すと、眼底像が拡大され、レンズ全面に広がっていく。

2.双眼倒像鏡検査

立体的評価が必要な網膜剥離、黄斑部浮腫や網膜新生血管の評価に有用とされる。

さらに、強膜圧迫子を併用すれば、最周辺部の所見を観察することができる。

眼底チャートの描き方

網膜剥離やその他の網膜硝子体疾患における詳細な術前評価する、特に強膜バックリング術においては重要な役割を果たす。

眼底所見のシェーマやカラーコードには国際的なルールがある。

(補足)カラーコードによる所見の記載例

赤色 復位網膜、網膜動脈、網膜前・内・下出血
青色 剥離網膜、網膜静脈、網膜皺壁
青色で囲んだ赤色 網膜裂孔
青色斜線 剥離網膜内の格子状変性
細かい青色斜線 網膜分離症
緑色 硝子体出血など中間透光体の混濁
黒色 網膜色素沈着と非剥離網膜から透見できる脈絡膜色素沈着
黒色斜線 復位網膜における格子状変性
茶色 剥離網膜を通して見える脈絡膜色素変性
白色 正常網膜
黄色 活動性網脈絡膜炎、網膜浮腫、最近の治療部分
紫色 平面的な新生血管
橙色 隆起した新生血管

細隙灯顕微鏡眼底検査

細隙灯顕微鏡を用いた眼底検査で、現在広く行われている眼底検査である。

後眼部の観察には眼球の屈折(60D)を通しての観察になるため、その屈折を打ち消す凹レンズ(-60D)を前置して成立虚像を観察する方法と、凸レンズ(+60Dから130D前後)を前置して倒立実像を観察する方法がある。

前置レンズには接触型と非接触型がある。

接触型は点眼麻酔を用いて角膜表面に前置レンズを直接接触させる必要があるため、衛生面では非接触型に劣る。

しかし、角膜表面の収差の影響を受けず、瞬目や眼球運動による妨げも少ないため、詳細な観察に適している。

一方、非接触型は通常の診療でよく用いられる。

簡便で衛生的ではあるが、角膜表面の収差の影響を受けたり、瞬目や眼球運動による妨げを受けることがある。

参考文献

  1. 今日の眼疾患治療指針 第3版

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