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メタノール
メタノールは、食品中、特に果実や野菜中に天然に含まれる物質であり、人体内でも代謝中に生合成される。特に、リンゴや洋なしなど、ペクチンを含む果実を原料としている酒精飲料に含まれることが知られている。
また、メタノールはエタノールと近い温度で沸騰するため、蒸留で取り除くことが難しい。そのため、果実を原料とした蒸留酒には特に多く含まれる。
メタノールの代謝
メタノールは経口、吸入、経皮で吸収され、速やかに人体の水分に分布する。その後、アルコールデヒドロゲナーゼにより代謝され、ホルムアルデヒド、ギ酸を経て二酸化炭素となり排出される。
このメタノールを20㎎/kg体重以下の量で経口摂取した場合でも、通常体内に存在するギ酸蓄積量よりも多い量は蓄積しない。また、通常の食習慣のヒトは1日当たり1000~2000㎎のエタノールを代謝しており、健康な人であれば1時間当たり1500㎎のメタノールを問題なく代謝できる。
メタノールによる健康被害
ヒトのメタノール曝露の慢性的な影響に関する知見はほとんど報告はないが、多量摂取による急性メタノール中毒の症状は下記が知られている。
急性メタノール中毒による症状
- 視覚障害(失明)
- 吐き気
- 腹痛
- 筋肉痛
- めまい
- 衰弱
- 昏睡など意識障害
これらメタノールの毒性はギ酸によるものである。メタノール中毒では一般的に摂取量の増加に伴い、代謝性アシドーシス、中枢神経系機能障害が起こる。その結果、失明および死亡に至るケースもある。
メタノールによる視覚障害
メタノールによる視覚障害は急性症状が落ち着いてから気付く場合が多い。乳頭は通常初期には腫脹し、その後比較的急激に蒼白となり、非常に深い陥凹を示すのが特徴的である。
メタノール中毒の治療
治療は早期にアシドーシスの改善、血漿交換などを行う。
参考文献
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