禁忌
- 本剤は主に腎より排泄され、体内に蓄積する恐れがあるため、重篤な腎障害のある患者には使用禁忌である。
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トルソプト®点眼液とは
トルソプト®点眼液(一般名:ドルゾラミド塩酸塩点眼液、以下略)は1999年より販売開始となり、緑内障、高眼圧症に対して用いられている。トルゾラミドはpH5.5-5.9と低いため、点眼時に刺激を感じやすいが、ブリンゾラミドは懸濁性のため、点眼後の霧視、眼瞼への懸濁液付着が起こるとされる。
トルソプト®点眼液の効果効能
緑内障、高眼圧症
トルソプト®点眼液の用法用量
通常、0.5%製剤を1回1滴、1日3回点眼する。 なお、十分な効果が得られない場合は1%製剤を用いて1回1滴、1日3回点眼する。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
- 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
- 本剤投与中は授乳を中止させること。
小児等への投与
- 小児等に対する安全性は確立していない。
トルソプト®点眼液の作用機序
炭酸脱水酵素は眼を含む多くの組織に存在し、生体内での二酸化炭素の水和、炭酸の脱水の可逆的反応(CO2+H2O⇔H2CO3)をあずかる酵素である。ドルゾラミド塩酸塩は毛様体に存在するこの酵素を特異的に阻害し、重炭酸イオン(炭酸水素イオン)の形成を遅延させ、ナトリウムの液輸送を低下させることにより、房水産生を抑制し、眼圧下降作用を示すと考えられる。
トルソプト®点眼液の臨床成績
本剤の有用性は、緑内障、高眼圧症患者245例を対象に実施したチモロールマレイン酸塩との比較試験5)等によって認められている。また、1年間の長期投与を含めた一般臨床試験において、中等度改善以上の有効率79.9%(159/199例)と、本剤の眼圧下降効果が認められた。
緑内障及び高眼圧症の患者に点眼した場合、瞳孔径、視力、脈拍、血圧にほとんど影響を及ぼすことなく眼圧を下降させる。
トルソプト®点眼液の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
重大な副作用
1.皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、中毒性表皮壊死症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)(いずれも頻度不明):
2.四肢のしびれ、浮動性めまい(頻度不明)
3.しみる、流涙、疼痛などの眼刺激症状(5%以上)
また、強い角膜内皮障害がある眼に使用すると角膜浮腫を起こす危険性が報告されている[2]。
参考文献
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