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イシヤクアプリを徹底解説! | オンライン眼科
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イシヤクアプリを徹底解説!

イシヤクアプリ(https://www.ishiyaku.site)は添付文書を元にした薬剤の情報と、実際にその薬剤を用いる専門医らのコメントを見ることができるスマホアプリです。僕はリリース開始後比較的早い段階で使い始めており、特に他の科の薬剤を検索する際にはよく用いています。

今回の記事では、このイシヤクアプリの良いところ8点と改善できるところを4点考えたので、順番に解説したいと思います。

はじめに

今やスマホアプリなしでは生活が難しく、医療においても様々な役立つスマホアプリが登場しています。薬剤を扱うアプリにはヤクチエ、イシヤクアプリなどがあります。今回は最近になってTwitterを始めとするSNSでよく宣伝されているイシヤクアプリについて、良いところを8点、改善できるところを4点ずつ解説したいと思います。

この記事は僕の独断と偏見で構成されているため、あくまで一意見として読んでいただきたい。

イシヤクアプリの良いところ8選

1.カテゴリー別の特徴文がある

薬剤はその作用機序や効果によって、カテゴリー別に分類していることが多いです。眼科だと緑内障点眼薬にはいくつかの分類がありますし、抗アレルギー点眼薬にもいくつかの分類があります。例えば、緑内障点眼薬であれば、プロスタグランジン製剤、β遮断薬、炭酸脱水酵素阻害薬などがあります。これら分類があることは添付文書だけを見てもその全体像を把握するのは難しいです。そこで、このカテゴリー別の特徴文は、調べた薬剤が属するカテゴリーの周辺知識を得る際に効率が良いので、よく知らない分野の薬剤のカテゴリー別の特徴文は必ず読むようにしています

2.薬価および薬の写真が掲載されている

眼科で患者さんによく説明に使う事項として、薬の値段と点眼薬の色などがあります。しかし、なかなか実際の臨床で値段を調べるのは手間ですし、点眼薬の色もメーカーの種類が多く、後発品なども登場しているため、こちらが全て記憶するのは無理がありました。しかし、イシヤクアプリでは、これら特徴が薬剤毎に表示されるので、「赤いキャップの目薬」と説明していたのが、実際の写真を見せて確認することができるようになったので非常に便利になりました。

3.薬剤の特徴が一目で分かりやすい

Googleを使って薬剤を調べても、最終的には添付文書に書いてあることの何が重要なのかがよく分からないことがあります。イシヤクアプリでは薬剤の特徴が3つほど箇条書きにされています。この特徴文があるため、この薬剤がどんな作用なのか、どこが重要なのかが分かるようになっています。そのため、初めて使う薬剤であっても、大まかにその薬剤の特徴を把握することができます。

4.各診療科の専門医らのコメントがある

イシヤクアプリにはほとんど全ての薬剤に、その薬剤を実際に使用する医師らのコメントが載っています。そのため、もし薬剤を使いなれていない場合であっても、そのコメントを読めば薬剤を使う際に注意すべき点などを知ることができます。このコメントは実際にその薬剤を使用している医師らのコメントなので、外勤先や新規病院で使い馴染みのない薬剤が出てきてもあまり困らなくなりました。

5.類似した薬剤が表示される

イシヤクアプリでは調べた薬剤と類似した薬剤が表示されます。関連する薬剤、特に似た作用を持つ同系統の薬剤が表示されています。アレルギーや副作用などがあるため、その薬剤が使用できない場合があります。これは同じカテゴリーに入る薬剤がどの薬剤かを調べる際に有用な機能です。

6.添付文書の内容を項目ごとに確認できる

薬剤を調べる際に必ず添付文書を一度は目を通しますが、項目の順序が分かりにくいため重要な項目を見逃してしまう恐れもあります。しかし、イシヤクアプリでは添付文書の内容が項目順に並んでいるため、読みたい箇所だけ拾って読めるのが非常に無駄が少ないと思います。

7.分かりやすいイラスト解説がある

イシヤクアプリには緑内障点眼薬などでよく見る、作用機序ごとに分けたイラストなど、そのカテゴリーで重要な事柄についてイラスト解説が載っている場合があります。このように文字だけでなく、イラストを交えて解説しているのも初学者には理解しやすい工夫だと思います。

8.薬剤をテーマにしたスライド、記事がある

イシヤクアプリは薬剤の辞書としての機能だけでなく、それぞれの薬剤や作用機序に関してまとめたスライドや記事を作成することで、利用者の理解を深めるコンテンツ作りがなされています。薬剤をただ調べるだけでなく、その周辺知識も学ぶことができるため、このスライドや記事を読むのも面白いと思います。

改善できそうなところ4選

かなり生意気なことを言うようですが、一医師として提案をしたいと思います。

1.お気に入りは更新順だけでなく、アルファベット順に並べ替えられるなどオプションを!

イシヤクアプリでは検索した薬剤をお気に入り登録することができます。この機能自体は良いのですが、現時点(2022年6月16日)ではお気に入り登録した順にしか並べることができません。登録順にしてしまうとその後に見返すことが難しく、数が増えてしまうと見返すことが手間になってしまいます。眼科のように一つの診療科を見る場合は良いですが、研修医らは毎月様々な診療科を周ります。しかし、それが登録順であると、最初に登録した薬剤を復習する機会が減ってしまう恐れがあります。そのため、彼らのためには診療科ごとにまとめることができれば良いだろうと思います。その他にも、カテゴリーあるいはあいうえお順などに変更することができたら使い勝手が良くなるのではないかと思います。

2.専門医以外のコメントが欲しい

良いところでも解説しましたが、各薬剤について専門医によるコメントがあります。しかし、その下にある「全ての評価コメントを見る」という所にもコメントがあると良いなと思いました。これはユーザー数が増えてくれば自然と発生すると思うのですが、それまでは医師らがコメントをすることで何らかのベネフィットがあると良いかもしれません。例えば、評価コメントを多く書いている医師がコメント欄の上位に表示されやすくなったり、コメント王など何らかの称号を与えたりしても良いかもしれません。医師がコメントすることで、コメントを見た医師だけでなく、コメントする医師のメリットがあるような仕組み作りが望ましいなと思いました。

3.スライドや記事はオススメなどを紹介して欲しい

アプリのホーム画面にスライドや記事という項目があるのですが、能動的に調べないとスライドや記事は表示されません。検索していて思いましたが、2-3種類の薬剤を検索しても何もヒットしない場合は閲覧するのをやめようと思ってしまうかもしれません。そこで、例えば、プロフィールで第一標榜科を提示しているのですから、その科に関する記事を表示されると興味があれば見に行くと思います。

4.新規薬剤、後発品などが出たら表示して欲しい

すぐに新規薬剤が出ますし、後発品も多く登場しています。しかし、それを自分たちが得ることは難しく、MRさんからの情報だけだと偏りが出てしまう恐れがあります。そこで、Newsみたいな表示で、新規薬剤や後発品の登場などをしてもらえると、非常に助かると思いました。

イシヤクアプリはリリースされてからまだ日が浅いサービスですが、今後多くの医療関係者が使うであろうアプリの一つだと思います。さらに、改良されたイシヤクアプリが出てくることを期待しています。


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