勉強用

日医雑誌第153巻・第11号

アトピー性皮膚炎の眼合併症

アトピー性皮膚炎患者8992人と非アトピー性皮膚炎患者とで眼合併症の発症率を比較したところ、オッズ比は

  • 角結膜炎:8.21
  • 円錐角膜:5.40
  • 白内障:4.89
  • 網膜剝離:3.22
  • 緑内障:4.13

いずれもアトピー性皮膚炎患者で高かった。

  1. Atopic dermatitis is associated with increased prevalence of multiple ocular comorbidities

アトピー性角結膜炎(AKC)

治療メモ

  • 上眼瞼結膜に巨大乳頭を認める急性増悪期には、免疫抑制薬点眼液(0.1%タクロリムス点眼液)または高力価ステロイド点眼液(0.1%ベタメタゾン点眼液)と抗アレルギー薬の点眼液を併用する。
  • 慢性期には、免疫抑制薬点眼液(0.1%シクロスポリン点眼液)または低力価ステロイド点眼液(0.1%フルオロメトロン点眼液)を併用する。
  • 慢性期の抗アレルギー薬の点眼液は高線維化作用を持つトラニラスト点眼液がよい。

アトピー性眼瞼皮膚炎

  • 一般に角膜ヘルペスは片眼性がほとんどであるが、アトピー性皮膚炎合併例では40%近くが両眼性である。
  • ネオメドロール、リンデロンAにはフラジオマイシン
  • ステロイド眼軟膏で改善しない、または眼圧上昇を認めるときはタクロリムス軟膏を使用する。タクロリムス軟膏(プロトピック軟膏)を眼瞼皮膚に使用する際は、なるべく結膜嚢内に入れないこと、角結膜感染症がある場合、特にヘルペス性角膜炎の既往があるときは慎重に使用する。

円錐角膜

  • 1209名の円錐角膜患者の52.9%に花粉症、14.9%にぜんそく、8.4%にアトピー性皮膚炎を合併し、また50.4%に目を強くこする習慣を認めた。
  1. Baseline findings in the Collaborative Longitudinal Evaluation of Keratoconus (CLEK) Study

アトピー性緑内障

  • 顔面にアトピー性皮膚炎を持ち、眼圧が21mmHg以上で、視野・視神経乳頭の変化を持つ緑内障患者で、明らかにステロイド緑内障を不定できる症例をアトピー性緑内障と定義している。
  1. Atopic Glaucoma: Clinical and Pathophysiological Analysis

オンライン眼科のサポート