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アトピー性皮膚炎の眼合併症
アトピー性皮膚炎患者8992人と非アトピー性皮膚炎患者とで眼合併症の発症率を比較したところ、オッズ比は
- 角結膜炎:8.21
- 円錐角膜:5.40
- 白内障:4.89
- 網膜剝離:3.22
- 緑内障:4.13
いずれもアトピー性皮膚炎患者で高かった。
アトピー性角結膜炎(AKC)
治療メモ
- 上眼瞼結膜に巨大乳頭を認める急性増悪期には、免疫抑制薬点眼液(0.1%タクロリムス点眼液)または高力価ステロイド点眼液(0.1%ベタメタゾン点眼液)と抗アレルギー薬の点眼液を併用する。
- 慢性期には、免疫抑制薬点眼液(0.1%シクロスポリン点眼液)または低力価ステロイド点眼液(0.1%フルオロメトロン点眼液)を併用する。
- 慢性期の抗アレルギー薬の点眼液は高線維化作用を持つトラニラスト点眼液がよい。
アトピー性眼瞼皮膚炎
- 一般に角膜ヘルペスは片眼性がほとんどであるが、アトピー性皮膚炎合併例では40%近くが両眼性である。
- ネオメドロール、リンデロンAにはフラジオマイシン
- ステロイド眼軟膏で改善しない、または眼圧上昇を認めるときはタクロリムス軟膏を使用する。タクロリムス軟膏(プロトピック軟膏)を眼瞼皮膚に使用する際は、なるべく結膜嚢内に入れないこと、角結膜感染症がある場合、特にヘルペス性角膜炎の既往があるときは慎重に使用する。
円錐角膜
- 1209名の円錐角膜患者の52.9%に花粉症、14.9%にぜんそく、8.4%にアトピー性皮膚炎を合併し、また50.4%に目を強くこする習慣を認めた。
アトピー性緑内障
- 顔面にアトピー性皮膚炎を持ち、眼圧が21mmHg以上で、視野・視神経乳頭の変化を持つ緑内障患者で、明らかにステロイド緑内障を不定できる症例をアトピー性緑内障と定義している。