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遺伝性網膜疾患の診断と評価
問診
症状
- 杆体細胞が優位に障害→夜盲、錐体が有意に障害→色覚異常、羞明
- 幼少期から障害がある疾患(Leber先天盲や杆体一色覚)→眼振
- Leber先天盲:digito-ocular sign(手で目を押さえたりこすったりする)
家族歴
- 伴性潜性のRPや伴性潜性であるコロイデレミアや眼白皮症:母(保因者)の眼底に異常がある
視野検査
- 錐体機能が消失した杆体一色覚でも、杆体機能が消失した完全型停在性夜盲でも、動的視野検査では周辺視野に異常がほとんど見られない。これは、動的視野が錐体または杆体のどちらかの機能が残存していれば保存されるためとされる。
屈折検査
- 近視が強い疾患:完全型停在性夜盲、Leber先天盲、青錐体一色覚、網膜色素変性症(RPGR遺伝子が原因)
- 遠視が強い疾患:Best病を代表とするBEST1遺伝子関連網膜症
- 遠視蛍光の疾患:先天網膜分離
医療用コンタクトレンズ
- PED(遷延性角膜上皮欠損)の患者に対して、自己血清点眼+バンデージSCLを行ったところ、約11-14日でPEDが治癒した。
- PED治癒後にバンテージSCLを除去した後も自己血清点眼を継続した群では、PEDの再発率が有意に減少した。
- シェーグレン症候群を対象とした前向き研究では、自己血清点眼群とバンテージSCL群のいずれも眼表面疾患指数(OSDI)が有意に改善したが、特にバンテージSCL群のOSDIスコアがより良好だった。
- SiHy素材の医療用SCL使用している6188人の患者(6385眼)を対象とした中国の調査で、42カ月間の抗菌薬予防投与中に0.13%(8人)が細菌性角膜炎を発症した。年間発生率は1万人あたり3.7人であった。
- CLARE:CL起因急性充血。黄色ブドウ球菌が関与。重度の球結膜および角膜輪部の充血、角膜中間周辺部の浸潤、軽度のフルオレセイン染色を認めるが、角膜潰瘍や角膜感染の徴候がないもの。
CLEAR – Medical use of contact lenses
抗VEGF治療によるPCVのポリープ閉塞率
ラニビズマブ
- EVEREST studyⅠ:33%
- EVEREST studyⅡ:23%
- Fujisan study:30%
- ラニビズマブ単独:約30%
- ラニビズマブ+PDTから3か月後:約70%
アフリベルセプト2㎎
- 導入期治療後:約50%
ブロルシズマブ
- 導入期治療後:約80%
ファリシマブ
- 導入期治療後:61%や50%
Three-month outcomes of faricimab loading therapy for wet age-related macular degeneration in Japan
OCTAによるポリープ内血流の評価
- 導入期治療後の血流の程度によって網膜下液の消退率に差がある。
- 治療2週後の血流の有無は早期再発や治療抵抗性と関連する。
- 血流シグナルの有無と1年間の治療回数や最終予定投与間隔が相関する。
- ポリープ内の血流シグナルの有無はPCVの治療反応性と相関するため、OCTAによるポリープ内血流評価はPCVの治療予後予測に有用である。
Flow signal change in polyps after anti-vascular endothelial growth factor therapy