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OCTAの緑内障診療における活用方法
- 乳頭周囲の放射状傍乳頭毛細血管(RPC)領域が可視化でき、緑内障眼では緑内障の進行とともに表層血管密度が低下することが報告されている。
- しかし、現在は緑内障検出力においてはOCT厚みデータにやや劣るとの報告もある。
- MvD(微小血管脱落)は経時的に拡大し、cpRNFL厚の菲薄化と関連する。
- 黄斑部の血管密度は緑内障の進行とともに減少する。
- 黄斑部におけるOCTAを用いた血管密度は、従来のOCTを用いたGCC厚に比べて、より視野感度との相関が強い。
- 黄斑血管密度の低い眼では、その後の緑内障の進行が速い。
- 黄斑部深層の毛細血管が神経線維層厚の菲薄化や視野感度部位と一致して欠落している。
- FAZの拡大と声援率の低下は中心視野感度が障害される緑内障眼でより顕著になる
- 平均4.0年間経過観察した結果、OCTAで撮像した当初の黄斑部血管密度の減少が速かった群は、その後の視野悪化速度も速かった
Rates of Choroidal Microvasculature Dropout and Retinal Nerve Fiber Layer Changes in Glaucoma
視野検査ーハンフリー
- Anderson-Patellaは30‐2では最周辺部は除外して評価するが、24‐2では除く必要はない。
- 中等度にMD値が変動する場合に、-1.0dB/年の進行を検出するには年に3回の視野検査を3年間継続する必要があるとしている。
- 初期の緑内障患者は最初の2年間は年に3回検査を行い、その後のフォローアップは年1-2回の検査が望ましく、経過中に視野悪化が疑われる場合には確認検査を1回追加することで、進行の偽陽性率が50%まで減少すると報告している。
Practical recommendations for measuring rates of visual field change in glaucoma
視野検査ーアイモvifa
- 両眼開放下で明室にて視野検査が行える視野計として、2015年にヘッドマウント型アイモが開発され、2021年にその後継機としてアイモvifaが登場した。
- 検者は固視状態を確認できる。
- 球面度数-3.0D~+3.0Dの範囲で調節可能。これを超える場合、円柱度数については付属マグネット式レンズで矯正を行う。
- アイトラッキング機能もあるため、検査中の顔ずれや眼球運動の動きに伴う測定点のずれを補正できる。
- アイモvifaには4-2d Bracketing、Ambient Interactive ZEST(AIZE)、AIZE-Rapidの3つのタイプがある
- それぞれハンフリーの全点閾値検査、SITA-standard、SITA-FASTと同じ位置づけ
- 緑内障眼におけるAIZEでの検査はSITA-standardと比べてMDに有意差はなく、AIZEの方が検査時間は短かった。
- AIZE-RapidはSITA-FASTと比べ短時間で同等の視野障害を検出できる。
- AIZE-EX(緑内障フォローアップ用プログラム)はAIZEと比べ緑内障早期症例で約20‐30%、中期及び進行期症例では30‐50%の検査時間が短縮され、これら2つのプログラム間でのMDに有意差はなかった。
- 24‐2、30-2、10-2、24-2測定点の中心10°内に検査点を追加した24plusが選択できる。
- アイモvifaは両眼同時視野検査が可能だが、斜位や斜視がああれば片眼検査に変更した方がよい。
- アイモscanは緑内障スクリーニング検査機器で、CL、メガネをしたまま明室で両眼同時に検査し、検査時間は両眼で約1分40秒程度である。
Effects of head tilt on visual field testing with a head-mounted perimeter imo
A new static visual field test algorithm: the Ambient Interactive ZEST (AIZE)
Perimetric Comparison Between the IMOvifa and Humphrey Field Analyzer
PCVにおける抗VEGF薬の選択
- ファリシマブの臨床試験では、疾患活動性により8-16週で投与間隔を調整し、2年経過時点で16週間隔だった患者割合は63.1%と投与間隔延長が報告されている。また、高いポリープ病変退縮率とdry macula率が報告されており、PCVへの有用性が期待される。
眼性髄膜症
- 癌細胞が脳や脊髄を包む髄膜に広がった状態で発生する。
- 最も多い原因となる固形癌は肺癌
- 腫瘍細胞による視神経や頭蓋内視路への直接浸潤、頭蓋内圧亢進による乳頭浮腫が挙げられる。
- MRIで明確な病変を特定することは困難
- 眼底所見:乳頭腫脹、乳頭からの滲出液、出血
- 診断時の視力は指数弁以下や両光覚消失、重篤である場合が多い
- 全身の予後は極めて不良で、診断後の平均生存期間は約4か月
Leptomeningeal Carcinomatosis with Delayed Ocular Manifestations