目の病気

ブリザーフロ手術

概要

プリザーフロは全長8.5 mm、内腔径70 µmのチューブ構造で、素材にはSIBSとよばれる柔軟性と生体適合性に優れた非金属ポリマーが用いられている。眼外アプローチにより結膜下に留置し、濾過胞を形成する。

ただし、強膜フラップの作製や虹彩切除が不要な低侵襲濾過手術である。そのため、術後管理の簡便さと合併症の少なさが特徴として挙げられる。

また、トラベクレクトミーには及ばないが、他のMIGSデバイスやロングチューブシャント手術と比較して、良好な眼圧下降効果を示すと考えられている。

特に、眼軸長が長い患者や無硝子体眼では、トラベクレクトミー後に低眼圧黄斑症をきたしやすいことが知られており、プリザーフロはこうした患者に適した術式と考えられる。

治療成績

Ab-Externo MicroShunt versus Trabeculectomy in Primary Open-Angle Glaucoma: Two-Year Results from a Randomized, Multicenter Study

項目 プリザーフロ群 トラベクレクトミー群 備考
対象症例数 395例 132例 国際多施設前向きランダム化比較試験
2年後の成功率 50.6% 64.4% プリザーフロ群は有意に劣る
2年後の平均眼圧 13.9 ± 3.9 mmHg 10.7 ± 3.9 mmHg プリザーフロ群で有意に高値

合併症と落屑緑内障の有効性

代表的なものに、角膜内皮細胞密度の減少がある。前眼部OCTを用いた解析により、チューブと角膜内皮との距離が500 µm未満である場合に内皮細胞の減少が多く、500 µm以上では内皮への障害が少ないことが示されている。

また、落屑緑内障においては術後成績が芳しくないとする報告が存在する。落屑緑内障のみを対象とした研究では、術前より20%以上の眼圧下降かつ追加手術なしを成功と定義した場合、術24週時点の成功率は50%とされている。

参考文献

  1. Ab-Externo MicroShunt versus Trabeculectomy in Primary Open-Angle Glaucoma: Two-Year Results from a Randomized, Multicenter Study
  2. Postoperative Outcomes of PreserFlo MicroShunt in Patients with Exfoliation Glaucoma
  3. Corneal Endothelial Cell Loss After PRESERFLO™ MicroShunt Implantation in the Anterior Chamber: Anterior Segment OCT Tube Location as a Risk Factor
  4. Excessive scleral shrinkage, rather than choroidal thickening, is a major contributor to the development of hypotony maculopathy after trabeculectomy
  5. Late-onset Hypotony Maculopathy After Trabeculectomy in a Highly Myopic Patient With Juvenile Open-angle Glaucoma
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