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緑膿菌角膜炎
緑膿菌角膜炎の誘因としては角膜外傷、コンタクトレンズ装用、非感染性角膜炎の2次感染などが挙げられる。緑膿菌角膜炎は角膜の小円形膿瘍で発症する。角膜潰瘍の進行は速く、2~3日で角膜輪状潰瘍へいたる。
緑膿菌角膜潰瘍では小円形の浸潤病巣に加え、潰瘍周囲の角膜浮腫性混濁が強く、すりガラス状角膜潰瘍と呼ばれる。球結膜の充血は高度で、時に強い結膜浮腫を伴う。角膜辺縁部には強い細胞浸潤によるブラシ状角膜混濁がみられ、境界不明瞭となる。進行すると、角膜実質融解を伴った輪状膿瘍となり、強い前房炎症、角膜プラーク、前房蓄膿を伴うことが多い。さらに数日で角膜穿孔を来すこともある。
治療はアミノグリコシド系点眼が第一選択である。フルオロキノロン系点眼も期待できるが、耐性菌もあるため注意する。
鑑別として真菌性角膜炎がある。また、病巣部角膜の融解と潰瘍の進行により、角膜表面には、膿性分泌物や融解した角膜組織が付着し、角膜裏面には角膜内皮プラークがみられ前房蓄膿を伴うことがある。
参考文献
- 細隙灯顕微鏡用語活用アトラス事典
- 今日の眼疾患治療指針第3版
- 日本の眼科 93:7号(2022)
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