瞳孔に関する疾患

薬物中毒に伴う瞳孔異常

薬物中毒に伴う瞳孔異常

1.散瞳を生じる薬物

  1. アトロピン内視鏡など消化管検査の前投薬酔い止め薬としても幅広く用いられている。瞳孔散大とともに強い調節麻痺を生じる。
  2. d-クロルフェニラミンマレイン酸塩:アレルギー性鼻炎、蕁麻疹に効果のあるH1ヒスタミン受容体遮断薬で市販薬にも含まれる。弱い散瞳を生じることがある。
  3. その他:コカイン、ボツリヌス中毒でも瞳孔は散大しうる。

2.縮瞳を生じる薬物

  1. モルヒネ:比較的少量でも瞳孔は縮瞳する。
  2. 抗アセチルコリンエステラーゼ阻害薬:通常量の内服では明らかな縮瞳を生じることはまれ。中毒量や眼瞼挙上目的で使用する点眼薬では、縮瞳調節けいれんを生じることがある。
  3. その他:有機リン系の農薬中毒、サリン中毒では極小瞳孔調節けいれんを生じる。
眼科の教科書に載っている、眼に影響が出る薬一覧眼科で処方された目薬が全身に影響を及ぼすこともあれば、逆に全身の薬が眼に影響することがあります。この記事ではそんな薬の副作用について解説しています。...

参考文献

  1. 今日の眼疾患治療指針第3版

関連記事

瞳孔とその疾患この記事では瞳孔とその疾患を紹介しています。...

オンライン眼科のサポート