調節検査の目的
どのくらい近くまで明視することができるかを測定する。調節がどのくらい速やかに行われているかを測定する調節機能検査、および調節を行ったときに起こる生体の反応を検出する近見反応測定装置と調節機能解析装置がある。
- 老眼、眼精疲労、テクノストレス眼症、むち打ち症などの診断と治療の効果判定
- 眼鏡やコンタクトレンズ処方時の適正矯正判断
- 屈折矯正手術の適応判定
に有用である。
調節検査の検査法
1.装置を使わない検査
調節力の測定方法
近点距離を測定すれば調節力を算出することができる。より精度を高く測定するために、等速度近点計や等屈折度近点計が用いられる。
等速度近点計は固視標が等速度で移動するため、自覚的には視標が目に近づくほど速く移動するように感じられる。ゆえに、等速度近点計では近点の測定値にばらつきが生じやすい。
等屈折度近点計では視標が眼に近付くほど接近する速度が遅くなるので、近点測定の再現性が高い。
2.近点距離の測定
完全矯正した状態で、片眼遮蔽をし、被検眼の眼前50㎝から指標を近づけ、視標がぼやけ始めた距離を近点距離とする。
眼前50㎝ですでにぼやけている場合には、視標が明視できるまでプラスレンズを眼前12㎜の位置に加えて、同様に近点距離を求める。
前者の場合は調節力=1/近点距離だが、後者の場合は1/近点距離ー負荷レンズ度数になる。
反復検査を行い、ばらつきがなければ正常だが、変動が大きい場合には調節異常が疑われる。調節力が年齢相応よりも小さい場合には調節衰弱が疑われる。
2.装置を使う検査
調節検査
反復近点を求めた後に、遠方視標と近方視標を交互に提示して明視できるまでの時間を求め、ピント合わせの速度を測定する装置(アコモドポリレコーダ)がある。明視は自覚的判断で、再現性には個人差が出る。
近見反応測定装置
トライイリスC9000は近接視標を見る時に起こる縮瞳と輻輳反応を同時に記録する。眼鏡やコンタクトレンズを付けていても検査可能である。その他にも調節速度の記録、瞳孔の動きと輻輳の状態を同時に記録できる。そのため、むち打ち症などで起こる視機能異常の診断にも有用とされる。
調節機能解析装置
AA-2、アコモレフなどがあり、他覚的検査装置である。一定の距離を注視しているときに生じる屈折値の揺らぎの高周波数成分出現頻度を計測することで、毛様体筋の活動状態を記録する装置である。これによって、調節緊張症、調節痙攣、テクノストレス眼症、老眼の他覚的診断が可能となった。
調節検査機器とそれを扱う会社一覧
- AA-2(ニデック)
- アコモレフ(ライト製作所)
- トライイリスC9000(浜松ホトニクス)