禁忌
- 症状が増悪するおそれがあるため、気管支喘息、気管支痙攣又はそれらの既往歴のある患者、重篤な慢性閉塞性肺疾患のある患者
- 症状が増悪するおそれがあるため、コントロール不十分な心不全、洞性徐脈、房室ブロック(Ⅱ・Ⅲ度)又は心原性ショックのある患者
ミケラン®点眼液とは
ミケラン®点眼液(一般名:カルテオロール塩酸塩点眼液、以下略)は1984年より販売開始となり、緑内障、高眼圧症に対して用いられている。1%、2%の濃度があり、期待する眼圧下降に応じて使い分ける。
ミケラン®点眼液の効果効能
緑内障、高眼圧症
ミケラン®点眼液の用法用量
通常、1%製剤を1回1滴、1日2回点眼する。なお、十分な効果が得られない場合は、2%製剤を用いて1回1滴、1日2回点眼する。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
- 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
- 治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
小児等への投与
- 小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
- 低血糖症状があらわれた場合には、経口摂取可能な状態では角砂糖、あめ等の糖分の摂取、意識障害、痙攣を伴う場合には、ブドウ糖の静注等を行い、十分に経過観察すること。食事摂取不良等体調不良の状態の患児にカルテオロール塩酸塩点眼液1%・2%を投与した症例で低血糖が報告されている。
ミケラン®点眼液の作用機序
カルテオロール塩酸塩は内因性交感神経刺激様作用を有するβ受容体遮断薬である。健康成人におけるフルオロフォトメトリー試験の結果、並びに緑内障及び高眼圧症患者におけるトノグラフィー試験の結果から、カルテオロール塩酸塩は房水産生の抑制により眼圧を下降させるものと推察されている。
この他にも、内因性交感神経刺激作用[2]、角膜保護作用[3]が期待できる。
ミケラン®点眼液の臨床成績
1.国内臨床試験
国内42施設で総計796例について実施された臨床試験の概要は次のとおりである。二重盲検比較試験を含む臨床試験のうち、緑内障及び高眼圧症患者779例(0.5%、1%、2%)において、総効果判定眼数1,425眼中1,150眼(80.7%)が、有効と規定した21mmHg以下の眼圧に調整された。なお、二重盲検比較試験の結果、本剤の有用性が認められている。正常眼圧緑内障患者22例を対象にカルテオロール塩酸塩2%点眼液1日2回18カ月間点眼群(10例)と無治療経過観察群(12例)でのハンフリー視野計による視野測定値を比較検討した。その結果、カルテオロール塩酸塩点眼群は無治療経過観察群に比較し視野の指標であるMean deviation(MD)及びCorrected pattern standard deviation(CPSD)の悪化を有意に抑制した9)。注)本剤の承認された用法及び用量は、1%製剤を1回1滴、1日2回点眼し、十分な効果が得られない場合は、2%製剤を用いて1回1滴、1日2回点眼である。
ミケラン®点眼液の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
重大な副作用
1.喘息発作(頻度不明)
β-受容体遮断による気管支平滑筋収縮作用により、喘息発作を誘発することがあるので、咳・呼吸困難等の症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
2.失神(頻度不明)
高度な徐脈に伴う失神があらわれることがある。
3.房室ブロック、洞不全症候群、洞停止等の徐脈性不整脈、うっ血性心不全、冠攣縮性狭心症(いずれも頻度不明)
β-受容体遮断による刺激伝導系抑制作用・心拍出量抑制作用により、房室ブロック、洞不全症候群、洞停止等の徐脈性不整脈、うっ血性心不全、冠攣縮性狭心症
があらわれることがある。
4.眼類天疱瘡(頻度不明)
結膜充血、角膜上皮障害、乾性角結膜炎、結膜萎縮、睫毛内反、眼瞼眼球癒着等があらわれることがある。
5.脳虚血、脳血管障害(いずれも頻度不明)
6.全身性エリテマトーデス(頻度不明)
参考文献
- ミケラン®添付文書
- Cardiovascular studies of 5-(3-tert-butylamino-2-hydroxy) propoxy-3,4-dihydrocarbostyril hydrochloride (OPC-1085), a new potent beta-adrenergic blocking agent
- Ocular factors relevant to anti-glaucomatous eyedrop-related keratoepitheliopathy