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神経発達症児の内眼部疾患と治療
- 特に、けいれん素因のある児に調節麻痺薬を使用すると、まれではあるがけいれん出現の可能性がある。18トリソミーの5歳児に外来で1%シクロペントラート塩酸塩を点眼したところ、30分後にけいれんが出現して呼吸停止となり入院加療となった症例もいる。
- 白内障を伴う神経発達症:Down症候群、13、15、18トリソミーのような染色体異常や、先天風疹症候群やサイトメガロウイルスなどの子宮内感染、Lowe症候群、PAX6遺伝子異常に関連する疾患群など
- 緑内障:神経学的な異常を伴う場合が多く、Down症候群などの染色体異常やMarfan症候群などの結合組織異常、ホモシスチン尿症などの代謝異常のほか、Sturge–Weber症候群やRubinstein–Taybi症候群など
- 小児白内障の術後には緑内障が高率に発生する
- 片眼の網膜剝離の時点では発覚しづらく、発症からかなり時間がたってしまい、もう片眼に発症したことで行動パターンが悪化して網膜剝離が発見され、その時点で45%が増殖硝子体網膜症の状態になっているという報告がある。
- 13番染色体の異常では、網膜芽細胞腫の確認が必要である。
- SDをもつ患者の約46~89%に何らかの摂食障害がみられるとされる。
コンタクトレンズ装用に伴う合併症
- 強膜レンズ:細菌性角膜炎のような重篤な合併症はまれであり、後ろ向き研究では0.5〜1.6%と報告されている。日中の曇り(fogging)はもっとも頻度が高い視覚的合併症であり、涙液貯留層の厚さや後面の濡れ性の最適化により軽減可能である。
Light Adjustable Lens
- LAL:球面度数で±2.0Dまで、乱視は2.0Dまで度数変更を行うことが可能である。度数固定が終了するまでの1〜2カ月程度は紫外線カット用の眼鏡装用が必要である。Hengerらが術後1年間の短期成績として、Schojaiらが術後7年目までの長期成績として、それぞれとくに問題がなかったと報告している。
- Clinical Evaluation of Macular Thickness Changes in Cataract Surgery Using a Light-Adjustable Intraocular Lens
- Long-term follow-up and clinical evaluation of the light-adjustable intraocular lens implanted after cataract removal: 7-year results
抗VEGF薬とロービジョンケア
- 0.5未満の場合は、通常の近用眼鏡では、新聞などの文字は読みづらくなる。中心暗点は焦点距離を短くすると、自覚する暗点が小さくなることと、拡大効果があるため、通常よりも加入度数を強くしたハイパワープラスレンズを試す。