おはようございます、doctorKです。
芸能関係者の麻薬常習が問題となっていますが、ここで関連するテーマで記事を書きます。題して「マリファナは緑内障治療に有効⁈」です。
「こいつ麻薬推進派か?」
という疑問を持たれた方は安心してください。僕は麻薬推進派ではありません。あくまで中立的な立場で、医療的に有効かどうかを調べています。なお、この記事を読むにあたっては、緑内障に関する知識を少し知っておく必要がありますが、詳しくは『緑内障とは』をご覧ください。
さて、早速ですが論文を見ていきたいと思います。今日紹介する論文は1998年にジョージア医科大学の Keith Greenらが発表した論文で、タイトルは『Marijuana Smoking vs Cannabinoids for Glaucoma Therapy』です。
結果は、
Although it is undisputed that smoking of marijuana plant material causes a fall in intraocular pressure (IOP) in 60% to 65% of users, continued use at a rate needed to control glaucomatous IOP would lead to substantial systemic toxic effects revealed as pathological changes.
和訳すると、
マリファナ吸引は使用者の60%から65%で眼圧(IOP)の低下を引き起こすことは議論の余地はないが、眼圧を制御するために必要な割合で継続して使用すると、病理学的変化として明らかにされた実質的な全身毒性効果につながる。
全身の毒性については、
Acute effects are increased pulse rate, orthostatic hypotension, euphoria, and conjunctival hyperemia. Long-term clinical effects in humans include respiratory, hormonal, and pulmonary toxic effects, although effects on many other organ systems, including the brain, have been noted.
- 急性の影響は、脈拍数の増加、起立性低血圧、多幸感、結膜充血
- 慢性の影響は、呼吸、ホルモン系、肺、脳
しかも、本文には、
~Duration of the reduction of IOP is about 3 to 4 hours~ to be smoked 8 or l0 times a day ~
とあり、効果は3~4時間みたいです。さらに、効果を絶やさないためには1日8~10回も吸わないといけません。
よって、皆さん想像通り、
麻薬は確かに眼圧を下げるが、全身的な副作用と使用頻度を考えると治療方法としては望ましくない。
という結論になりました。
それではまた次の記事でお会いしましょう!
参考文献:Arch Ophthalmol. 1998;116(11):1433-1437