結膜とその疾患

流行性角結膜炎

流行性角結膜炎とは

アデノウイルス感染で生じる濾胞性結膜炎で、潜伏期間は7~10日とされる。俗に「流行り目」という。

流行性角結膜炎の原因

アデノウイルス8、19、37、(53、54、56、64、85)型が原因となるが、アデノウイルス4型でも軽症のEKCとなる。感染経路で最も重要なものは手指を介する接触感染である。アデノウイルス浮遊液を自然乾燥しても10日以上感染性を維持するとされた。

流行性角結膜炎の所見

充血、流涙、眼脂、異物感などの症状を認め、発症後5~8日頃に最も強くなり、以後、症状は軽快していく。角膜点状上皮下混濁(MSI)を認める場合は視力低下や羞明をきたすことがある。

  • 急性期:濾胞性結膜炎偽膜形成耳前リンパ節腫脹・圧痛、眼瞼腫脹、漿液性線維素性眼脂
  • 回復期(7~10日):点状表層角膜炎、瞼結膜に偽膜があれば角膜上皮障害や角膜上皮びらん、角膜点状上皮下混濁(MSI)

※小児では濾胞形成に乏しく、偽膜を形成しやすいとされています。

流行性角結膜炎の診断

上記臨床所見や眼脂の塗抹標本でリンパ球優位の白血球浸潤がみられることも診断に有効だが、確定診断はウイルス分離、PCR法による。しかし、実臨床では検査キットを用いる。陽性であれば100%確定診断となるが、陰性でも感度が70%であるため偽陰性に注意する必要がある。

流行性角結膜炎の治療

感染拡大予防のため手洗い、器具の滅菌、消毒、診察室の消毒は重要である。特効薬はないため二次感染予防で抗菌点眼薬、抗炎症のため非ステロイド系消炎薬点眼を行う。

また、MSIや広範な点状表層角膜炎、偽膜合併例に対しては自覚症状の軽減や偽膜の抑制のためステロイド点眼薬が有効である。強い混濁には0.1%ベタメタゾンリン酸エステルナトリウム(サンベタゾン®)点眼など強めのステロイドを使うと軽快・消失させることができる。

しかし、早期に点眼をやめると再び混濁が増強してくる場合もあるため、漸減や弱いステロイド点眼薬へ変更などを行う必要がある。

  • 角膜上皮下混濁の頻度は二重盲検比較試験において、ステロイド点眼使用で有意に減少した。
  • ステロイド点眼薬によってアデノウイルスの増殖を助長させることが動物実験では報告されている。

参考文献

  1. 細隙灯顕微鏡用語活用アトラス事典
  2. 眼科学第2版
  3. 今日の眼疾患治療指針 第3版
  4. 眼科と薬剤(2019年9月臨時増刊号)

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