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多発性後極部網膜色素上皮症(MPPE) | オンライン眼科
網膜とその疾患

多発性後極部網膜色素上皮症(MPPE)

ドクターK
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・多発性後極部網膜色素上皮症(MPPE)ってどんな病気なの?

と疑問をお持ちの方の悩みを解決できる記事になっています。

多発性後極部網膜色素上皮症(MPPE)とは

多発性後極部網膜色素上皮症(MPPE)の発症原因は不明だが、脈絡膜血管が透過性亢進し、網膜色素上皮の外側網膜血液関門が眼底後極部で広範囲に障害される。その結果、脈絡膜血管からの滲出液が網膜下に大量に漏出・貯留する(≒中心性漿液性脈絡網膜症(CSC)が多発する)ことで生じる。CSCの既往・腎疾患既往、膠原病などでステロイド全身投与歴がある場合に発症しやすい。中年男性に多い。眼性に発症することが多い。

多発性後極部網膜色素上皮症(MPPE)の診断

1.眼底検査

眼底後極部に多発性のドーナツ状灰白色滲出斑(=網膜下フィブリン)がみられ、その周囲に漿液性網膜剥離、大型の網膜色素上皮剥離が広範囲に認める。網膜下液の移動性が高いため、下方周辺部では胞状になる。

2.光干渉断層計(OCT)

ドーナツ状滲出斑→網膜下に境界不鮮明な中等度反射(網膜下フィブリンによる)、蛍光漏出点→小さい網膜色素上皮剥離が高頻度にみられる。

3.フルオレセイン蛍光眼底造影(FA)

造影早期に眼底後極部に多発性の点状の蛍光漏出点(ドーナツ状の滲出斑の中央に一致する)網膜下への旺盛な蛍光漏出を認める。造影後期は滲出斑に一致した組織染色が見られる。

4.インドシアニングリーン蛍光造影検査(IA)

造影早期の限局性低蛍光(脈絡膜充盈遅延)と後期のびまん性過蛍光(脈絡膜血管透過性亢進)、網膜下への色素漏出を認める。

多発性後極部網膜色素上皮症(MPPE)の治療

蛍光漏出点に対するレーザー光凝固が第一選択で、薬物治療は補助的に用いる。

1.薬物治療

微小循環改善薬や網膜機能維持のための複合ビタミン製剤などを対症状的に用いる。

2.外科的治療

蛍光漏出点に対するレーザー光凝固が唯一有効で、光凝固は漏出部の網膜色素上皮の増殖を促し、外側網膜血液関門の回復を目的とするため弱凝固でよい。中心窩下の蛍光漏出点やびまん性に蛍光漏出点がある場合には、保険適用外ではあるがベルテポルフィンを用いた減弱光線力学療法(RF-PDT)を行うこともある。

多発性後極部網膜色素上皮症(MPPE)の予後

発症早期に診断し、適切に光凝固やRF-PDTを行うと視力予後は比較的良好である。広範の網膜剥離が長期間放置されている、あるいは再発を繰り返す場合は視力予後は不良とされる。

参考文献

  1. 今日の眼疾患治療指針第3版
  2. 眼科学第2版

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