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閉瞼不全とは
瞬目・閉瞼時に瞼裂の閉鎖が不十分なために、眼球の外気への露出が残る状態を閉瞼不全という。閉瞼不全はドライアイや角膜感染を引き起こし、最悪の場合は角膜穿孔・失明につながることもある。
閉瞼不全の原因
- 眼瞼の形態変化によるもの
:外傷、熱傷、手術等で眼瞼の瘢痕拘縮や眼瞼が欠損することで発症する。 - 眼瞼の機能不全(顔面神経麻痺)によるもの
:先天性、Bell麻痺、Ramsay Hunt症候群、腫瘍、外傷、多発性硬化症、重症筋無力症、サルコイドーシスなどが原因となり、眼輪筋麻痺が起こる。上眼瞼は瞼縁が高位になるが、皮膚がたるみ(偽眼瞼下垂)、下眼瞼では下垂や外反が起こる。 - 眼球突出によるもの:甲状腺眼症、眼窩腫瘍など
甲状腺機能亢進症(Basedow病)に伴う甲状腺眼症この記事では甲状腺眼症について解説しています。甲状腺眼症について知りたい方は必見です。...
閉瞼不全の治療
原因に応じて治療を行う。
- 眼瞼の形態変化
:瘢痕拘縮や眼瞼欠損の程度により術式は異なる。
組織の欠損が1/4以下→単純縫縮が可能
組織の欠損が1/4以上→単純縫縮不可能なら眼瞼再建術 - 顔面神経麻痺
:麻痺は回復する可能性があり、その場合は対症療法でテーピングや点眼・眼軟膏による対応を行う。麻痺が固定した場合は手術を行う。a. テーピング:夜間の閉瞼不全や強い角膜上皮障害があれば、テーピングで完全に閉瞼する。日中の開瞼が必要な場合には、眉毛を挙上する方向と下眼瞼を耳側上方に牽引するようにテーピングをする。b. 人工涙液点眼・眼軟膏点入:人工涙液など角膜保護薬を点眼し、入眠時も開瞼が強い場合は眼軟膏を点入する。c. 手術:
上眼瞼の眼輪筋麻痺→上眼瞼挙筋延長術
下眼瞼の眼輪筋麻痺→lateral tarsal strip法、下眼瞼の楔状切除、耳甲介軟骨移植 - 甲状腺眼症や眼窩腫瘍:対症療法をおこない、根治には眼窩減圧や腫瘍摘出術を行う必要がある。
参考文献
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