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Horner症候群とは
眼交感神経系の障害で、眼所見や全身所見に多彩な症状を示し、障害部位に応じて中枢性、節前性、節後性の3つに分類できる。
具体的な症状として、縮瞳、暗所で著明な瞳孔不同を呈すが、対光反射は正常である。また、軽度眼瞼下垂、下眼瞼の上昇、瞼裂狭小、見かけ上の眼球陥凹、調整幅の拡大、虹彩異色症、涙液分泌低下、眼圧低下、結膜充血、発汗異常などを認める。
Horner症候群の部位別の原因
1.中枢性
- 脳幹梗塞・出血・腫瘍
- 脊髄小脳変性症
- 延髄空洞症
- 変形性頚椎症
2.節前性
- 肺尖部腫瘍
- 縦隔腫瘍
- 頸部手術
- 星状神経節ブロック
- 分娩時腕神経叢下部損傷
3.節後性
- 頚動脈周囲の腫瘍
- 頸部の手術や外傷
- 頚動脈の解離性動脈瘤
- 海綿静脈洞の病変
- 鼻咽頭腫瘍
- 群発頭痛
Horner症候群の診断
Horner症候群の診断は容易だが、障害部位を特定するため1%アプラクロニジン塩酸塩(アイオピジン®点眼薬)を用いる。この薬剤を投与後、正常であれば変化ないか、縮瞳する。一方で、Horner症候群では点眼30~60分後に散瞳をきたし、点眼前後で瞳孔不同が左右逆転する。
発汗異常も重要で、患側の発汗低下は中枢性では全身の半側に、節前性では顔面半側に、節後性では前額内側と鼻尖部に起こり、発汗低下部位のほてりや紅潮をきたす。
先天性の動眼神経麻痺は縮瞳していることもあり、鑑別が重要となる。
Horner症候群の治療
原疾患の治療を優先し、全身に異常がなければ経過観察で良い。
参考文献
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