眼窩とその疾患

特発性眼窩炎症(眼窩炎性偽腫瘍)

特発性眼窩炎症(眼窩炎性偽腫瘍)とは

眼窩に発症した、非感染性の炎症を特発性眼窩炎症(眼窩炎性偽腫瘍)という。眼窩腫瘍と同様、眼球突出や眼瞼腫脹をきたすのでこのような名前が付いている。炎症という名が付くが、炎症反応は軽度上昇にとどまることが多い。

特発性眼窩炎症(眼窩炎性偽腫瘍)の診断

急性から亜急性に発生する眼瞼腫脹や眼球突出、眼球偏位で疑い、CTおよびMRIなど画像検査を行う。特に、T2強調STIR法とT1強調ガドリニウム造影脂肪抑制併用が優れる。いずれの場合も高信号域として描出される。診断のための生検は、急性期と治療前に行うと治療後に眼球運動障害などをきたすため避けることが多い。

特発性眼窩炎症(眼窩炎性偽腫瘍)の治療と予後

ステロイド内服による治療が一般的だが、自然寛解することもあるが、逆に重症例の場合はステロイドパルス療法あるいはセミパルス療法を行うこともある。疼痛などの症状が強くなければ経過観察することもある。ステロイド内服をする場合、1日0.25~1.0㎎/kgのプレドニゾロン(PSL)から開始し、2-6か月の投与中止を目途に漸減していく。数日で改善傾向が見られることが多い。しかし、漸減中に再発する例はしばしば存在し、特に漸減のペースが早いと再発しやすい。再発例や難治例の場合は放射線治療やメトトレキサートなどの免疫抑制剤を試すことがある。ステロイドに対する反応性は良く、再燃を防ぐためゆっくり漸減していく。まれに遷延性の難治例となる場合はある。外眼筋に局在するものは予後が良好とされる。

特発性眼窩筋炎

特発性眼窩炎症の一亜型である。症状は眼窩炎症と類似するが、ほぼ全例で眼痛を伴った複視を認める。片眼性が多い。内直筋に罹患することが多い。急性発症であり、肥厚した外眼筋によって圧迫性視神経症をきたすことがある。上記治療を行う。再発リスクとして男性、複数筋の罹患例、両眼発症例などが挙げられている。

参考文献

  1. 今日の眼疾患治療指針第3版
  2. Pseudotumor of the orbit
  3. Outcome of orbital myositis. Clinical features associated with recurrence
  4. Current status in the treatment of orbital myositis
  5. Clinical Features of Ocular Motility in Idiopathic Orbital Myositis

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