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シンポジウム3~OCTAの現在とこれから~ | オンライン眼科
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シンポジウム3~OCTAの現在とこれから~

  • OCTAは網膜OCT画像内においてBscan速度で輝度変化している部分を画像化している。
  • OCTA撮影シーケンス最適化のためにはNoRを増やし、サンプリング間隔を空ける

OCTAによる網膜循環障害の可視化と診療における活用法

  • 広画角化により、造影検査の代用へ期待
  • 広角は狭画角を兼ねない

黄斑部OCTAの活用術

  • 造営できない(しない)症例での診断精度の向上
    • 糖尿病網膜症スクリーニング:黄斑近傍に毛細血管瘤、微小無潅流領域が検出できる。糖尿病網膜症の有無を見分ける点では3×3㎜の画角が最も優れていた。
    • 黄斑局所の虚血性疾患の診断・経過観察:
  • 黄斑浮腫における深層血管障害の評価
    • 責任毛細血管瘤(MA)の検出:浮腫内のMAの90%以上は深層にあり、FAで見えるMAと、OCTAのMAには一致しないものがある。OCTAでのMA検出率は41-62%程度
      →OCTAはMA観察に不向き?
    • 浮腫を生じるMA=責任MAはB-scanで内部が高反射で、OCTAでflow signal(+),Visible,深層に存在
      →臨床的に意味のあるMAは十分に検出できている可能性あり
  •  抗VEGF薬との関連性
    • DMEにおける抗VEGF療法で、poor responseは深層血管密度が低下、FAZ拡大、MAが多いなどの特徴があった。
    • BRVOの遷延性浮腫は表層に比して深層の脱落が多い。健常側表層と閉塞側表層から血管脱落率が高いと再発が減り、注射回数が少なくなる。

広角OCTAの活用術

  • 虚血の重症度診断
    • 無潅流領域(non flow)の描出はOCTAの得意分野
    • faだと背景蛍光が影響するのに対して、OCTAではflowとnon flowの境界が明瞭
    • 無潅流領域が広範でないかを評価することも重要
  • 新生血管の検出

脈絡膜イメージングと診療におけるOCTA活用法

1.CNV

  • AMDで88.8%CNV描出可能。ポリープ病巣は映る場合、映らない場合がある。
  • Type1 CNVは脈絡毛細管板(CC)領域、Type2 CNVは網膜外層、Type3 CNVは網膜内層~網膜外層~CCを描出
  • Quiescent CNVは1年後21.1%で滲出が出てくる

2.Choroidal vessels

  • 1本の脈絡膜血管が正常網膜では黒、RPE萎縮では白く描出される
  • 中心窩萎縮、強度近視はAMDと似た脈絡膜血流がOCTAで検出されることがある

3.En face OCT

  • SRD、PED、RPE萎縮のある症例に、脈絡膜の厚み、OCTAでCNVチェック、En face OCTで脈絡膜血管観察をしている。

緑内障診療におけるOCTAの活用法

1.緑内障のOCTAパラメータの総括と最近のアップデート

  • 緑内障早期から乳頭内血流が低下している
  • OCTAの早期緑内障診断力はcpRFLNTよりRPC(放射状乳頭周囲毛細血管)の方が良好
  • OCTAによる黄斑血管密度は平均視野感度との相関が高い
  • 緑内障患者では視神経乳頭の血管密度が低い
  • 緑内障眼では、篩状板内の部分的な血流低下が見られる。
  • 緑内障末期でもOCTAによる血管密度は低下し続ける
  • OCTAによるRPCには緑内障末期の床効果がみられない
  • 篩状板は短後毛様体動脈とチンハーラー動脈輪の分枝でサポートされている
  • 緑内障では黄斑OCTAによるFAZが大きく、不整になる。
  • 傍中心暗点のある緑内障ではFAZの変化がより大きい。
  • 中心視野障害を伴う緑内障では、黄斑部の毛細血管にも変化を来している。

2.OCTAを活用した緑内障診療へのアプローチ

  • 緑内障患者ではRPCの血管密度の減少が可視化された

OCTAの広画角化と高精細化がもたらす眼科臨床への影響

1.広角OCTAが得意なこと、苦手なこと

  • 広角OCTAは糖尿病網膜症と網膜静脈閉塞症で有用
  • 広角OCTAの無潅流領域や網膜新生血管の描出は狭画角の単回撮像よりも優れている。
  • スキャン間隔が粗になることから画質が低下する
  • 広角OCTAは狭画角の単回撮像よりも画質が落ちるため、毛細血管瘤やFAZの評価には注意

2.OCTAの高精細化がおたらすこと

  • より真実に近い網膜血流情報を取得できる
  • 再現性の高い二値化画像を取得できる
  • 画質向上には、ハードウェアの性能向上、アベレージ処理、AIを用いたデノイズ処理がある
  • AIを用いたデノイズ処理で、撮像時間は大幅に短縮された。アベレージ処理が困難な超広角OCTA撮像や前眼部OCTAでも応用可能
  • デノイズ画像を評価するときは必ず元画像を参照することが大切

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