脈絡膜とその疾患

脈絡膜母斑・脈絡膜メラノーマ

ドクターK
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脈絡膜母斑ってどんな病気なの?

と疑問をお持ちの方の悩みを解決できる記事になっています。

脈絡膜母斑概論

脈絡膜に生じた母斑細胞母斑で、基本的には良性である。悪性黒色腫(メラノーマ)への移行は8845病変で1つとされる。

臨床所見は様々あるため、「視力低下の原因か」「悪性化のリスクはあるか」が重要な指標となる。

そこで、母斑とメラノーマの鑑別が重要となる。ポイントは全部で6種類あるとされる。

To Find Small Ocular Melanoma Doing Imaiging(TFSOM-DIM

  1. Thickness:腫瘍厚>2㎜(エコー検査)
  2. Fluid subretinal:網膜剥離(OCT)
  3. Symptoms vision loss:視力低下
  4. Orange pigment:オレンジ色素(眼底自発蛍光で過蛍光
  5. Melanoma hollow:腫瘍内低反射(エコー検査)
  6. DIaMeter:腫瘍径>5㎜(眼底写真)

5年後にメラノーマに移行するリスクは

  • 0因子→1%
  • 1因子→11%
  • 2因子→22%
  • 3因子→34%
  • 4因子→51%
  • 5因子→55%

臨床的には4因子以上でメラノーマと診断することが推奨されている。特に、腫瘍厚、網膜剥離、オレンジ色素はもっとも重要な所見とされる。

脈絡膜母斑各論

脈絡膜母斑は脈絡膜上腔を基底にした鏡餅型に発育し、基底は円形で頂点部分も不整形にならない。OCTやBモードでは、境界明瞭で内部の構造はメラニン色素により透見不能である。腫瘍厚は2㎜未満であることが多い。

フルオレセイン蛍光眼底造影検査(FA)およびインドシアニングリーン蛍光造影検査(IA)では造影早期から後期まで一貫して低蛍光を示す。病変への栄養血管や内部の異常血管はない。病変上に網膜色素上障害があれば造影早期からwindow defectを認める。

脈絡膜メラノーマ概論

脈絡膜メラノーマは、脈絡膜メラノサイトの悪性腫瘍で、成人の原発性眼内悪性腫瘍の中では最多である。とはいえ、日本での年間新規発生者数は100名未満である。

脈絡膜メラノーマはほぼ全例に漿液性網膜剥離硝子体出血を認める。

メラノーマの放射線学的検査で最も特異性が高いのは、¹²³I-IMPシンチグラム(脳血流シンチ)の24時間像である。一般的に用いられている、¹⁸F-FDG-PETよりも感度と特異度が高いとされる。

脈絡膜メラノーマ各論

脈絡膜メラノーマの基底部は円形が基本だが、浸潤性発育のため不整形となることもある。漿液性網膜剥離は必発だが、滲出を伴うことはまれである。

Bモードエコー検査では、腫瘍内部は低反射を呈し、診断的意義は高いとされる。また、眼底自発蛍光はオレンジ色素の検出にも優れている。

OCT angiography(OCTA)では腫瘍表面の血管を描出でき、FAでは腫瘍上のびまん性蛍光漏出と網膜血管と乳頭からの反応性蛍光漏出があり、嚢胞様黄斑浮腫(CME)を認める。IAでは腫瘍内血管が透見されてループ形成や血管拡張(double layerサイン)を認め、検眼鏡所見よりも大きい低蛍光領域を認める。

参考文献

  1. あたらしい眼科37(1):33~39、2020

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オンライン眼科編集長兼眼科医プロライター/祖母の死→医師を目指す→一浪し眼科医/プロライターとしても500以上の記事を執筆/目の健康、眼科に関する記事をほぼ毎日作成/一緒にお仕事して下さる方はDMして下さい!目の健康に関する情報よ全国へ届け!