コロナで広まるオンライン診療
日本でのオンライン診療は、1997年から「遠隔診療」の一部として始まっていますが、新型コロナウイルス感染症の蔓延・拡大に伴い、需要が高まってきています。
2020年10~11月におこなわれたMMD研究所の調査では、オンライン診療利用経験者の66.7%の人が「オンライン診療が増えてほしい」と回答しています。
日本でのオンライン診療登録医療機関数は、2021年4月末時点で約1万7000ヵ所で全体のわずか15.2%に留まっています。今後、オンライン診療をおこなう医療機関は増えていくかもしれません。
オンライン診療は、病院に行かなくてもパソコンやスマートフォンなどを使って診察を受けられるため、診察までの待ち時間がなく時間の有効活用ができます。
眼科をオンライン診療で受診する場合、薬やコンタクトレンズを処方してもらえるのでしょうか?
この記事では、眼科でのオンライン診療について紹介します。
どんな患者さんがオンライン診療できる?
実は、眼科は元々遠隔診療が苦手な領域です。診察だけでなく、視力・眼圧・眼底検査など眼の状態を診る検査が必要になる場合があるからです。
では、どんな患者さんならオンライン診療が受けられるのでしょうか?
以下に当てはまる方が対象となります。
1.再診の方
初診では眼の状態を診るためにさまざまな検査をすることが多く、オンライン診療では十分な診察ができません。そのため、オンライン診療は基本的に再診の患者さんが対象です。
2.通院中で症状が安定しており、目薬などの処方薬を継続して処方してほしい方
既に通院していて、処置や検査がない、症状が安定している方は受診可能です。ドライアイや緑内障、白内障の治療中で、眼の症状が安定している方であれば、眼疾患があってもオンライン診療を受けられます。
これまで処方されている目薬などがなくなった場合、オンライン診療で処方してもらえます。ただし、医師が現在の処方薬を継続して使用できると判断した場合にのみ処方されます。処方された薬は薬局へ取りに行く、自宅に郵送してもらうなどで受け取れます。
3.コンタクトレンズを使用しており装着感や見え方に問題がない方
再診の患者さんで、コンタクトレンズ度数の変更や装着しているコンタクトレンズに違和感等がない方のみ、オンライン診療での処方が可能です。
4.眼科の病気について医師に相談したい方
医療機関によっては、眼の症状の相談やコンタクトレンズについての困りごと、ドライアイの相談・レーシックの詳しい情報など、カウンセリングや情報提供に関することもオンライン診療で行っているところもあります。
希望される方は医院・クリニックに問い合わせてみてください。
症状によって対面診療が必要なことも
オンライン診療を受けられる患者さんの中でも、症状によっては医師の判断で来院での再受診を案内される方や、受診して検査や治療・手術が必要な方もいます。
もし対面での診察が必要となった場合、通える距離にある医療機関を選んでおくと安心です。
参考文献
- 厚生労働省:オンライン診療の適切な実施に関する指針
- 厚生労働省:新型コロナウイルス感染症の感染拡大を踏まえたオンライン診療について
- 厚生労働省:医療機関が電話やオンラインによる診療を行う場合の手順と留意事項
- MMD研究所:オンライン診療に関する調査