1.Hirschberg法
大まかに近見眼位の測定することができる。33㎝の距離で光源を固視させ、被検者の眼の角膜面上の反射像の中心からのずれを目測する。1㎜で12.3度程度とされる。ただし、測定誤差が大きく、遠見眼位は測定できないのでそこが欠点である。
2.Krimsky法
33㎝の距離に光源を置き、固視眼前にプリズムを入れる。角膜反射が瞳孔中央に位置するまで、プリズムの度を強める。1prism diopter(Δ)≒1/1.7とされるが、60Δは31.0度と誤差がある。
3.遮蔽・非遮蔽試験
A.cover test(CT)
片眼遮蔽で、他眼の動きを確認する。遠見、近見で行い、斜視の有無やずれる方向、性質などを確認する。
B.cover-uncover test(CUT)
両眼開放下の各眼の支保工の確認を行う。片眼遮蔽し、その後遮蔽を取り除いた際の眼の動きを確認する。
C.alternating cover test(ACT)
融像を除去した状態での眼位を確認する。各眼を交代で数秒間遮蔽し、最大の眼位ずれを検出する。
4.プリズム遮蔽試験
A.simultaneous prism cover test(SPCT)
日常的な固視で、顕性偏位を定量する。両眼開放下で固視させ、斜視眼にプリズム、固視眼を遮蔽する。これを同時に行い、復位運動がなくなるまで行う。
B.alternate prism cover test(APCT)
全斜視角を定量化するため、両眼開放下で固視させる。偏位眼前にプリズム、他眼を遮蔽する。遮蔽を斜視眼に移し、プリズムの度を上げて交互に繰り返す。復位運動がなくなったところのプリズム度が全斜視角である。遮蔽は長く、交代は素早く行う。
一般的に「APCT=SPCT+潜伏性の眼位ずれ量」となる。
5.Bielschowsky head tilt test
頭を傾斜させると、重力で内耳の迷路が刺激される。その刺激は前庭神経を介して脳幹の眼球の神経に伝達され、傾斜方向とは逆方向に反対回旋が起こる。
つまり、上斜筋麻痺では上直筋の代償により、患側に傾斜すると患眼が上転する。
6.Hessチャート試験
Hessチャート試験の目的
眼位異常のパターン、外眼筋の運動制限、過動の有無を明らかにするために行う。
Hessチャート試験の検査法
暗室で行う。赤レンズを固視眼、緑レンズを検査眼に着ける。グリッド幅1つは5度である。
Hessチャート試験の判定
1.まず正面位での眼位ずれを読む。
2.共同性か非共同性かを判定する。
3.動きの悪い眼の眼球運動制限を見る。
その他にも4プリズムbase-out試験、Parks3段階法、プリズムアダプテーション試験(PAT)などがある。