眼科で使う点眼液

アレジオン®LX点眼液

アレジオン®LX点眼液とは

アレジオン®LX点眼液(一般名:エピナスチン塩酸塩点眼液、以下略)は2019年より販売開始となり、アレルギー性結膜炎の治療薬として広く用いられている。塩化ベンザルコニウムを含まないため、それが原因となる角膜上皮障害やコンタクトレンズの上から使用できるメリットがある。1日2回点眼で良いため、1日4回のアレジオン®点眼液よりも使いやすい仕様となった。

アレジオン®LX点眼液の作用機序

エピナスチン塩酸塩は、ヒスタミンH1受容体拮抗作用を主作用とし、さらに肥満細胞からのメディエーター遊離抑制作用を有する。

アレジオン®LX点眼液の効果効能

アレルギー性結膜炎

【2024年版】花粉症によるアレルギー性結膜炎対策約5人に1人が目のかゆみを感じ、約15%がアレルギー性結膜炎と診断されています。つまり、我が国では約2,000万人がアレルギー性結膜炎です。この記事ではそんなアレルギー性結膜炎について解説しています。...

アレジオン®LX点眼液の用法用量

1回1滴、1日2回点眼する。

授乳婦等への投与、産婦、妊婦

1.妊婦又は妊娠している可能性のある場合には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合のみ投与すること。(妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。なお、妊娠前及び妊娠初期試験(ラット:経口)では受胎率の低下が、器官形成期試験(ウサギ:経口)では胎児致死作用が、いずれも高用量で認められている。)

2.授乳中の婦人に投与することを避け、やむを得ず投与する場合には授乳を中止させること。(動物実験(ラット:経口)で乳汁中へ移行することが報告されている。)

小児等への投与

12歳未満の小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

アレジオン®LX点眼液の臨床成績

国内第Ⅲ相試験(抗原誘発試験)

無症状期のアレルギー性結膜炎患者(68例)を対象に、片眼にエピナスチン塩酸塩点眼液(0.05%製剤34例、0.1%製剤34例)、他眼にプラセボ点眼液を無作為に割付け、各眼に各点眼液を1回1滴点眼した。各点眼液点眼4時間後又は8時間後にスギ花粉抗原溶液を点眼し、症状について評価した。その結果、眼そう痒感スコア及び結膜充血スコアにおいて、本剤(0.1%製剤)のプラセボ点眼液に対する優越性が示された。休薬期間を設けた後、片眼に前回とは異なるエピナスチン塩酸塩点眼液(0.05%製剤34例、0.1%製剤34例)、他眼にプラセボ点眼液を、1回1滴点眼し、各点眼液点眼4時間後又は8時間後にスギ花粉抗原溶液を点眼し、クロスオーバー比較を行った。その結果、眼そう痒感スコアにおいて、本剤(0.1%製剤)(1日2回点眼相当)の0.05%製剤(1日4回点眼相当)に対する非劣性が示された。本剤(0.1%製剤)群及び0.05%製剤群のいずれも副作用は認められなかった。

国内第Ⅲ相試験(環境試験)

アレルギー性結膜炎患者(121例)を対象に、環境下で本剤を1回1滴、1日2回(朝、夕)8週間点眼する非盲検非対照試験(長期投与試験)を実施した結果、眼そう痒感スコア(平均値±標準偏差)はベースライン3.1±0.4(121例)、7日目2.0±1.0(121例)、14日目1.8±1.0(120例)、28日目1.5±0.9(120例)、42日目0.8±0.8(120例)、56日目0.6±0.8(120例)であった。眼瞼
結膜充血スコア(平均値±標準偏差)はベースライン1.4±0.7(117例)、7日目1.1±0.8(117例)、14日目1.1±0.7(116例)、28日目0.9±0.7(116例)、42日目0.8±0.7(116例)、56日目0.5±0.6(116例)であった。眼球結膜充血スコア(平均値±標準偏差)はベースライン1.2±0.7(103例)、7日目0.8±0.5(103例)、
14日目0.7±0.5(103例)、28日目0.4±0.5(103例)、42日目0.4±0.5(103例)、56日目0.3±0.5(103例)であった。副作用は、眼充血0.8%(1/121例)であった9)。

アレジオン®LX点眼液の副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行う。

主な副作用

  • 結膜充血(0.1-1%未満)
  • 眼刺激感、眼異物感、羞明、眼瞼炎、眼痛、流涙、点状角膜炎、瘙痒感、眼脂(頻度不明)

参考文献

アレジオン®LX添付文書

関連記事

眼科で使う点眼液眼科で使う点眼液についてまとめています。...

オンライン眼科のサポート