眼科で使う点眼液

パタノール®点眼液

パタノール®点眼液とは

パタノール®点眼液(一般名:オロパタジン塩酸塩点眼液、以下略)は2006年より販売開始となり、アレルギー性結膜炎の治療薬として広く用いられている。

パタノール®点眼液の作用機序

オロパタジン塩酸塩は、選択的ヒスタミンH1受容体拮抗作用を主作用とし、更に肥満細胞からの化学伝達物質の遊離・産生抑制作用を有する。

パタノール®点眼液の効果効能

アレルギー性結膜炎

【2024年版】花粉症によるアレルギー性結膜炎対策約5人に1人が目のかゆみを感じ、約15%がアレルギー性結膜炎と診断されています。つまり、我が国では約2,000万人がアレルギー性結膜炎です。この記事ではそんなアレルギー性結膜炎について解説しています。...

パタノール®点眼液の用法用量

1回1滴、1日4回点眼する。

授乳婦等への投与、産婦、妊婦

1.妊婦又は妊娠している可能性のある場合には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合のみ投与すること。(妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。)

2.授乳中の婦人に投与することを避け、やむを得ず投与する場合には授乳を中止させること。(動物実験(ラット:経口)で乳汁中への移行及び出生児の体重増加抑制が報告されている。)

小児等への投与

低出生体重児、新生児、乳児、幼児に対する安全性は確立していない(使用経験がない。)

パタノール®点眼液の臨床成績

1.後期第Ⅱ相試験(抗原誘発試験)

無症状期のアレルギー性結膜炎患者(147例)を対象に、片眼にオロパタジン点眼液(0.01%群38例、0.05%群38例、0.1%群35例、0.15%群36例)、対眼にプラセボをそれぞれ1回1滴点眼し、点眼4時間後に抗原誘発を行った。抗原誘発5分後におけるそう痒感の平均スコアの0.1%群(本剤群)とプラセボ群との差と95%信頼
区間は、-1.19、[-1.52,-0.85]であり、抗原誘発20分後における総合充血の平均スコアの本剤群とプラセボ群との差と95%信頼区間は、-0.93、[-1.49,-0.37]であった。

2. 第Ⅲ相比較試験(ケトチフェンフマル酸塩点眼液を対照薬とした二重盲検並行群間比較試験)

アレルギー性結膜炎患者(247例)を対象に、本剤又は0.05%ケトチフェンフマル酸塩点眼液を両眼に1回2滴、1日4回(朝、昼、夕、就寝前)28日間点眼投与したところ、そう痒感及び充血の重症度点数において、本剤は0.05%ケトチフェンフマル酸塩点眼液に劣らない有効性を示した。

パタノール®点眼液の副作用

使用成績調査及び特定使用成績調査において、安全性評価対象例3512例中、22例(0.6%)に副作用が認められた。

主な副作用

  • 眼刺激5件(0.1%)
  • 眼痛5件(0.1%)
  • 眼瞼炎3件(0.1%)、
  • 眼 瞼 浮 腫3件(0.1%)
  • 眼 そ う 痒 症2件(0.1%)

なお、安全性評価対象例のうち、小児に対する投与例数721例中4例(0.6%)5件に副作用が認められた。その内訳は、1歳以上7歳未満が195例中0例、7歳以上15歳未満が526例中4例(0.8%)であった。また、その副作用の内訳は、眼瞼湿疹、眼刺激、眼痛、角膜炎、眼そう痒症の各1件であった(再審査終了時)。

参考文献

パタノール®添付文書

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