大動脈炎症候群（高安病）

大動脈炎症候群（高安病）とは

大動脈弓とその主要分枝だけでなく、腹部大動脈や腎動脈など全身の血管に病変を認める。眼症状は、頸動脈の狭窄による慢性の網膜・脈絡膜循環不全に生ずるとされる。

男女比は約1:9と女性に多く、20歳前後に発症のピークがある。

主要病変の存在部位に応じて、病型の分類がなされる。

典型的眼所見

※高安が特徴的と報告した乳頭周囲の動静脈花冠状吻合は比較的末期にみられる。

初期の基本的病態は網膜毛細血管瘤であり、その他にも層流持続時間の延長などがある。動静脈吻合は病初期には動静脈末梢部、進行期には動静脈交叉部にみられる。

自然寛解することが多い。また、眼病変は必発ではなく、眼動脈系の低血圧が無ければ発症しない。

血管狭窄と拡張を防ぐため、早期からステロイドの内服を30㎎/日からはじめ、徐々に漸減する。重症例やステロイド離脱困難な場合には、メトトレキサートなど免疫抑制薬を用いる場合もある。

頸動脈再建術を行ったという報告があるが一般的ではない。