網膜とその疾患

先天停在性夜盲

先天停在性夜盲(CSNB)とは

先天停在性夜盲(CSNB)は、生まれつき夜盲の症状があるが、非進行性の網膜疾患である。杆体機能が消失していれば完全型、残存していれば不全型とする。常染色体劣性とX染色体遺伝がある。

先天停在性夜盲(CSNB)の病態

1.完全型先天停在性夜盲

病因遺伝子としてNYX、TRPM1、GRM6などが知られている。ON型双極細胞の機能が障害されている。

2.不全型先天停在性夜盲

病因遺伝子としてCACNA1FCABP4が知られており、カルシウムチャネルの障害によりON型双極細胞とOFF型双極細胞への不完全な伝達障害が生じる。完全な伝達障害ではないため、夜盲はないか、あっても軽度である。

先天停在性夜盲(CSNB)の症状

5-10歳視力低下(0.1-0.7程度)を主訴に眼科を受診する。完全型には中ー強度近視が多い。完全型であれば夜盲の症状を認めるが、不全型であれば夜盲の訴えはほとんど認めない。

先天停在性夜盲(CSNB)の所見

先天停在性夜盲は眼底検査やOCTは正常である。

先天停在性夜盲(CSNB)のERG所見

ERGは陰性型ERGで、完全型では杆体応答が消失し、錐体応答やフリッカー応答の振幅は正常に保たれる。一方、不完全CSNBでは杆体応答が少し残存し、錐体応答やフリッカー応答の振幅は低下する。

Medline Plus HPより引用

先天停在性夜盲(CSNB)の治療方法

治療方法はない。

参考文献

  1. 眼科学第2版
  2. あたらしい眼科 Vol.42, No.3, 2025

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