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猫ひっかき病 | オンライン眼科
全身疾患と目

猫ひっかき病

猫ひっかき病とは

猫ひっかき病(Cat-scratch disease, CSD) とは、猫や犬が持つグラム陰性桿菌のBartonella henselaeによる人畜共通感染症です。感染している猫との接触により感染します。

典型例は引っかかれた認位に丘疹や膿疹を生じ、所属リンバ節の有痛性の腫脹、発然や倦怠感などの感冒様の症状が出ます。自然に治ることも多いです。若年者に多く、秋から冬に発生率が増加します。特に、温暖で降雨量の多い地城に多いとされています。

血清B.henselae抗体価による CSDの診断

①单一血清で、IgM抗体が20倍以上、あるいはIgG抗体が512 倍以上

②ペア血済でIgG抗体が4倍以上の上昇

診断は、血清抗体価による血清学的診断か病巣部やリンパ節などからPCR法でB.henselae DNAを検出して行います。

日本において、CSDは年間約1万人程度罹患し、1割程度が重症化しています。非典型例で最も多いのが眼病変で、視神経網膜炎がその約5%、Parinaud 眼腺症候群が約2%発症すると推定されている。

CSDによる結膜炎(Parinaud 眼腺症候群)

片側性の肉芽腫性結膜炎と同側のリンパ節炎を呈する(Parinaud 眼腺症候群)の最も多い原因が、CSDによる結膜炎です。

片眼性の充血・異物感・眼脂などを主訴に受診し、濾胞性・肉芽腫性結膜炎を認めます。球結膜と瞼結膜のいずれにも生じ、中央に壊死・潰瘍を認めることが多いです。

同側の所属リンパ節(耳前・顎下・頸部など)が腫脹しますが、ウイルス性結膜炎のリンパ節腫脹よりはるかに大きいのが特徴です。

CSDによる後眼部病変

CSDの後眼部病変は、視神経網膜炎と限局性網脈絡膜炎に分類されます。

視神経網膜炎は、視神経乳頭腫脹および視神経周囲の漿液性網膜剝離・網膜浮腫が生じ、浮腫が軽減するとともに黄斑部に特徴的な星状斑(macular star)が生じます。

CSDに伴う後眼部所見で最も頻度の高い所見が白色の網脈絡膜病変です。網膜表層から脈絡膜まで様々な部位に生じます。

視神経病変を伴わず白色の網脈絡膜病変のみの物が限局性網脈絡膜炎で、黄斑に病変がなければ視力低下を伴いません。

CSDに伴う眼病変に対する治療

典型的なCSDは自然治癒傾向がありまさが、CSDの眼病変に対して抗菌薬やステロイド内服の有効性など、エビデンスのある治療法は確立されていません。治療による視力予後は比較的良いですが、暗点などの視野障害を残すことも多いとされています。

参考文献

  1. 日本の眼科 94:3号(2023)p48-49

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