おはようございます、doctorKです。
乾燥するとドライアイの症状を訴える方が増えてきますが、そんなドライアイの症状に悩む方へ朗報です。「たった1時間の運動がドライアイを改善するかも!?」という論文を紹介します。
ドライアイとは
『眼科医が説明するドライアイ』という記事でも説明しましたが、現在日本には800〜2,200万人、オフィスワーカーは33.3%がドライアイと言われています。
ドライアイは涙の量が不足したり、涙の質が悪くなると涙の層にムラができてしまいます。その原因はコンタクトレンズやパソコン、スマホなどが知らています。
ドライアイになると、目が乾いた感じがしたり、目に不快感を感じたりします。このような自覚症状と検査の結果とを合わせてドライアイと診断し、目薬などで治療をします。
その治療において、目薬での治療に加えて重要になるのが、原因を取り除くことです。原因については先ほども言ったように、コンタクトレンズやパソコン、スマホなどが多いですが、今回紹介する論文では「タバコもその原因の一つかもよ」ということが調べられています。
論文の内容
今日紹介する論文は2019年9月にノーザンブリア大学のDaniel Peartらが発表した論文で、タイトルは『The effect of acute exercise on environmentally induced symptoms of dry-eye』です。
まず、被験者(12名)を3つのグループに分けます。
1つ目のグループ(以下CONT)が湿度40%で1時間座っていたグループ、2つ目(DRY)が湿度20%で1時間座っていたグループ、3つ目(EXER)が湿度20%の部屋で20分のサイクリング運動をした後、40分座っていたグループを設定しています。
そして、評価項目は
- Tear volume:涙液量
- tear matrix metalloproteinase 9 :MMP-9定量
- perception of dry-eye symptoms (frequency and severity):ドライアイ症状の自覚
- core temperature and ocular surface temperature (OST):眼表面の温度
を計測しています。結果は下記の通りです。
The perception of dry-eye frequency and MMP-9 concentration were significantly higher in DRY compared to CONT (P < 0.012), with no differences in EXER compared to CONT.
ドライアイの頻度とMMP-9の濃度はEXER≒CONT<DRYとなり、乾燥した部屋で運動したグループは湿度が高い部屋にいる部屋にいるのと同じくらいドライアイを起こしにくい
ということが分かりました。
20分という短い運動で、ドライアイが改善するのは非常に有用な結果だと思います。
しかし、対象者が12名と少ないため、今回の論文の結果を踏まえて更なる調査は必要です。
とはいえ、「日本で乾燥した時期は外が寒いので運動はできない」という人も中にはいらっしゃると思います。
そこで、くるみを食べるだけでドライアイが改善したという論文が出ており、その内容を『たった1ヶ月半くるみ28gを食べるとドライアイは改善する!?』で書いていますので、こちらも合わせて読んでみてください。
冬本番に入る前の今の時期から食べ始めるとちょうど良いかもしれません。