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細菌性結膜炎とは
細菌性結膜炎は細菌感染が原因で生じる結膜炎で、小児と高齢者の発症が多いとされる。
細菌性結膜炎の原因
- 新生児・乳児:先天性鼻涙管閉塞による涙嚢炎から結膜炎を併発することが多いため、連鎖球菌やコアグラーゼ陰性ブドウ球菌(CNS)が検出される。
- 乳幼児:インフルエンザ杆菌、肺炎球菌、モラクセラ菌など鼻咽頭に常在する菌が多い。
- 学童~成人:ブドウ球菌が多い。
- 高齢者:ブドウ球菌に加え、肺炎球菌、インフルエンザ杆菌による結膜炎が多い。
細菌性結膜炎の症状
- 自覚症状:充血、眼脂(目やに)、流涙、異物感など
・眼脂:膿性眼脂と粘液膿性または粘液性眼脂に大別される。前者は淋菌、ブドウ球菌、モラクセラ菌、後者はブドウ球菌、肺炎球菌、連鎖球菌などが原因として挙げられる。基本は両眼性で、片眼性でも数日でもう片眼に発症することが多い。 - 他覚所見:結膜充血、結膜浮腫、結膜腫脹が主体で、眼瞼炎を伴うこともある。
細菌性結膜炎の診断
上記症状に加え、原因菌確定のため塗抹検査や細菌培養検査を行う。
細菌性結膜炎の治療
- 乳幼児や易感染性患者は結膜炎+眼瞼腫脹or発熱あるなら抗菌薬内服を行う。
- 小児にはインフルエンザ杆菌、連鎖球菌、肺炎球菌、モラクセラ菌を想定して、セフェム系・マクロライド系点眼薬orトスフロキサシントシル酸塩水和物点眼液を選択する。
- 成人にはブドウ球菌を想定してフルオロキノロン系抗菌薬やセフェム系抗菌薬を選択する。
- メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)による結膜炎は、多くの薬剤に耐性を示すが、ニューキノロン系、テトラサイクリン系が有効であることが多い。バンコマイシン眼軟膏はMRSA感染を培養で確認してから使用する。ミノマイシン®(0.5%)やハベカシン®(アルベカシン)(0.5%)は感受性を有することが多いが、注射薬から調整し点眼薬として使用する。
※淋菌性結膜炎、MRSAでは内服などによる全身投与が必要な場合がある。
処方例
- 通常の細菌性結膜炎:ガチフロ1日4回
- 淋菌性結膜炎:ベストロン®1時間ごと、セフトリアキソンナトリウム1日1回1g点滴静注
- MRSA結膜炎:ミノマイシン®錠(50㎎)2錠分2、バンコマイシン眼軟膏1%1日4回点入を2週間続行し、結膜培養のMRSA陰性化を最低3回確認する。
参考文献
- 細隙灯顕微鏡用語活用アトラス事典
- 今日の眼疾患治療指針第3版
- 眼科と薬剤(2019年9月臨時増刊号)
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