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調節性内斜視とは
調節性内斜視は下記のように分類できる。
- 屈折性調節性内斜視
- 部分調節性内斜視
- 非屈折性調節性内斜視
1.屈折性調節性内斜視
遠視の完全矯正眼鏡により斜視角が10Δ以上減少し、かつ遠見の残余斜視角が+10Δ未満となる調節性内斜視のこと。
2.部分調節性内斜視
遠視の完全矯正眼鏡により斜視角が10Δ以上減少し、かつ遠見の残余斜視角が+10Δ以上となる調節性内斜視のこと。
3.非屈折性調節性内斜視
遠視と関係なく、近見時に内斜視角が増大する調節性内斜視のこと。
調節性内斜視の原因
- 屈折性調節性内斜視
:遠視により調節性輻輳が引き起こされた結果起こる。遠視度数は中等度(+3.0D~+5.0D程度)以上が多く、 - 非屈折性調節性内斜視
:高AC/A比により、近見時に内斜視角が増大する。 - 部分調節性内斜視
:1,2の原因が混合で起こる。
調節性内斜視の症状
調節性内斜視は2~3歳頃に内斜視で気づくことが多い。片眼弱視を合併することがある。
屈折性調節性内斜視の両眼視機能はおおむね良好で、部分調節性内斜視では良悪様々である。
乳児内斜視から移行したものは両眼視機能は不良で、屈折性調節性内斜視から移行したものは両眼視機能は比較的良好である。
調節性内斜視の診断
調節麻痺下の屈折検査を行い、完全矯正眼鏡装用で、
- 10Δ以上の内斜視角の減少がみられ、かつ残余斜視角が+10Δ未満
→屈折性調節性内斜視 - 10Δ以上の内斜視角の減少がみられ、かつ残余斜視角が+10Δ以上
→部分調節性内斜視 - 遠見時と近見時に内斜視角の違い(遠見斜視角<近見斜視角)があり、近見時に+3.0D のレンズを負荷することにより遠見斜視角と差がなくなる
→高AC/A比による非屈折性調節性内斜視
発症が1歳未満でも遠視が+2.0D以上なら、まず眼鏡装用させて斜視角の変化を観察し、乳児内斜視との鑑別を行う。
調節性内斜視の治療
- 屈折性調節性内斜視
:遠視の完全矯正で正位となり、手術適応とならない。 - 部分調節性内斜視
:遠視の完全矯正眼鏡でも斜視が目立つ場合、または両眼視機能の向上が手術により期待できる場合は手術治療を選択する。ただし、遠視眼鏡装用下の斜視角に対してのみ行う。 - 非屈折性調節性内斜視
:近見時に+3.0D を負荷した二重焦点レンズを装用させる。
眼鏡装用から内斜視角減少の期間は、ほとんどが眼鏡装用から3か月以内で眼位が落ち着く。
調節性内斜視の予後
屈折性調節性内斜視で、成長とともに遠視が減少し、最終的に眼鏡を装用しなくても正位となるものは全体の約15%ほどである。
残りは屈折性調節性内斜視の状態が続いたり、部分調節性内斜視に移行する、あるいは外斜視に移行するなど様々である。
参考文献
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