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間欠性外斜視とは
片眼が固視目標を注視しているときに、他眼が外側へ偏位している外斜視の状態と、両眼とも固視目標を注視して顕性の外方偏位が現れない外斜位の状態が合併している斜視のことを間欠性外斜視という。
小児期の斜視のうち最も多く、小学生の約0.14%にみられる。長期で観察すると、約10%で自然治癒、約40%は変化なし、残り50%は時間経過とともに恒常性外斜視に悪化するものもある。
間欠性外斜視の症状
幼児期~約8歳までに発症し、3~4歳頃の発症が最も多いとされる。初期には融像性輻輳により、遠見でも近見でも斜位を維持しやすいが、疲労時、体調が悪い時、起床直後には外斜視になりやすい。発症時期の年齢が比較的若いため、感覚適応が起こり、小児では複視を自覚しません。
斜位時の眼位は良好であるため、両眼視はほぼ正常に発達する。しかし、中には乳幼児期に発症し、偏心固視による異常網膜対応のため単眼固視症候群となるため、軽度の弱視も約5%の症例に見られる。
間欠性外斜視の分類
- 基礎型:遠見と近見の眼位の差が10Δ以下
- 輻輳不全型:近見眼位のほうが10Δより大きい
- 開散過多型:遠見眼位のほうが10Δより大きい
間欠性外斜視の治療
1.光学的治療
下記条件を満たす場合にプリズム眼鏡装用や、調節性輻輳を誘発して斜位を維持する過矯正眼鏡装用などを行う。しかし、最も有効な治療は2の手術治療である。
- 斜視角が小さい
- 視能矯正も斜視角が25Δ未満
- 微小斜視や単眼固視症候群などの合併がない
- 近見立体視がある
2.手術治療
手術は外直筋後転術と内直筋短縮術を組み合わせて行う。基礎型と開散過多型には両外直筋後転術が適応となり、輻輳不全型には両内直筋短縮術や片眼の前後転術、両外直筋後転術などを行う。
間欠性外斜視の予後
成人の症例では術後戻りは少ないが、小児では10~25Δの術後戻りがありうるため、術直後の眼位を10Δ以内の内斜視になるよう、あえて過矯正することが多い。
参考文献
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