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von Recklinghausen病とは
視神経線維腫症1型(NF1)と分類される母斑症で、眼窩、眼球、皮膚など多発性に視神経線維腫を発生する疾患である。先天性であり、常染色体優性遺伝(責任遺伝子はNF1)とされる。有病率は3000~5000人に1人とされる。
von Recklinghausen病の症状
出生時にカフェオレ斑を認めることが特徴である。眼球には虹彩のメラノサイト過誤腫である淡褐色の境界鮮明なLisch結節が90%以上にみられ、その頻度は年齢と共に増し、20歳頃には100%にみられる。
Lisch結節
Academic Dermatology of Nevada HPより引用
眼窩には2~5歳にかけて視神経膠腫(約15%)、視神経髄膜腫、視神経腺腫などの腫瘍が発生し、眼球突出、視神経管の拡大、顔面の変形がみられる。また、眼瞼に叢状視神経線維腫が発生すると、S型の変形が上眼瞼に生じる。
von Recklinghausen病の診断
視神経グリオーマ、2個以上のLisch虹彩結節は診断基準に含まれている。検査としてはCT,MRIだけでなく、眼球突出度の測定や視覚誘発電位(VEP)なども行うことがある。
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von Recklinghausen病の治療
内科的治療はない。Lisch結節があれば1年に1回、視神経膠腫があれば3カ月に1回は定期検査を行う。外科的治療として部分的切除や、進行すれば眼窩内容除去術が必要となることもある。眼瞼・眼窩のびまん性視神経線維腫は外科的摘出は難しく、再発しやすい。
参考文献
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