・角結膜染色法について知りたいです。
と疑問をお持ちの方の悩みを解決できる記事になっています。
角結膜染色法の目的
角結膜染色法は
- 眼表面上皮障害の検出
- 涙液層の観察
などのために行われる。
角結膜染色法は角膜疾患を含む前眼部疾患全般の診断、あるいはコンタクトレンズのフィッティング検査などに有効とされる。
角結膜染色法の原理と特徴
細隙灯顕微鏡検査でコバルトブルーフィルタにより励起されると、橙黄色のフルオレセインが黄緑色の蛍光として観察される。
フルオレセインは細胞そのものを染色するのではなく、破綻した細胞間隙を染色することを利用している。
この検査は刺激が少なく、非常に簡便に行えるためどこの施設でも行われる。
また、角結膜染色法では結膜上皮障害を詳細に観察することは難しいので、ブルーフリーフィルタ法を用いて観察することがある。
ローズベンガルはムチンに覆われていない上皮細胞を染めるとされ、ドライアイ、上輪部角結膜炎の診察において主に用いられる。しかし、細胞毒性、刺激、眼周囲皮膚への染色が問題点としてあげられるため、一般的な診療ではあまり用いられない。
ブルーフリーフィルタ法
主にドライアイ、結膜上皮に病変がある疾患で用いられる。今までのドライアイの角結膜上皮障害は、角膜はフルオレセイン染色、結膜はローズベンガル染色で行われてきた。
ドライアイでは角膜上皮障害よりも結膜上皮障害が先行するため、ローズベンガルが有効だが、刺激性が多いという課題があった。一方で、フルオレセイン染色では結膜上皮障害は観察しにくいという課題があった。
この問題点を解消するために、細隙灯顕微鏡に濾過フィルタ(ブルーフリーフィルタ)を付け観察すると、微細な結膜上皮障害がフルオレセイン染色のみで観察できるようになった。
角結膜染色法の検査法
フルオレセイン染色の場合
- フルオレセイン試験紙あるいは0.5~2%フルオレセイン溶液を用意する。
- フルオレセイン試験紙を用いる場合には生理食塩水で湿らせて、下眼瞼にそっと接触させる。溶液の場合はガラス棒につけ、下眼瞼に軽く接触するように点入する。
- ブルーフリーフィルタがあれば併用し、角結膜上皮の状態を確認する。
ローズベンガル染色
- 刺激性があるため、点眼麻酔を十分に行う。
- 1%ローズベンガル液をガラス棒につけて下眼瞼結膜に点入する。
- 結膜上皮障害を観察する。
- 結膜、眼周囲に付いたローズベンガルは取りにくいので、速やかに洗眼・顔する。
※点入量によって染色される上皮障害が異なるため、点入量は一定になるようにする。
角結膜染色法の判定
正常であればフルオレセイン、ローズベンガルともに染色されない。角結膜上皮障害があればその部位が染色される。