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上輪部角結膜炎(SLK) | オンライン眼科
結膜とその疾患

上輪部角結膜炎(SLK)

上輪部角結膜炎とは

上方の球結膜および輪部を主座とする炎症性の眼表面疾患で、特徴は下記の通りである。

  1. 上眼瞼結膜の炎症
  2. 上方球結膜(2~10時)の炎症
  3. 上方角膜および輪部に点状の染色陽性像
  4. 上方輪部の増殖
  5. 上方輪部または上方1/4の角膜の糸状角膜炎

30~55歳に好発し、眼性が一般的で、性に多いとされる。原因は1/3が甲状腺機能亢進症、1/3がドライアイを合併することが知られている。上輪部角結膜炎は、眼表面と眼瞼裏面との局所的な瞬目時の摩擦の亢進することで生じ、炎症や上皮の過増殖、分化障害を生じるとされる。

上輪部角結膜炎の症状

1.自覚症状

異物感、眼痛がになると増強し、開瞼困難をきたしうる。

2.他覚所見

  • 上眼瞼結膜のビロード状乳頭増殖
  • 上方球結膜の限局性充血(コイル状)、腫脹、結膜弛緩
  • 上方角膜のSPK、糸状角膜炎

上輪部角結膜炎の診断

臨床症状と結膜上皮を擦過またはインプレッションサイトロジー法により鏡検し、角化を証明する。インプレッションサイトロジー法で、球結膜上皮は蛇行した核クロマチンの濃縮像(snake-like appearance)、瞼結膜では杯細胞消失、炎症細胞の増加などが特徴的とされる。

上輪部角結膜炎の治療

まずは点眼加療を行う。角膜保護薬低力価ステロイドの単剤あるいは併用で治療する。糸状角膜炎がある場合にジクアス®を使用すると、角膜糸状物が増加しうるので注意する必要がある。

点眼治療が不十分な場合は涙点プラグ挿入術を行い、それでも効果乏しければ、上方の結膜弛緩があるなら結膜弛緩症手術を行う。ただし、若年者や、将来的に濾過手術を必要とする場合がある緑内障合併例では、手術の適応は慎重に決定する。

上輪部角結膜炎の予後

1~10年の経過で発症するが、上記の治療が奏効すれば自然寛解に向かう。上方の結膜弛緩症手術を行った場合でも、術後の再発はなく長期予後が良好とされる。

参考文献

  1. 眼科学第2版
  2. 今日の眼疾患治療指針第3版

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