昨日一昨日と『タバコと白内障の意外な関係』『タバコと糖尿病の意外な関係』という記事を書きました。今回は少し視点を変えて、アルコールと飲酒の意外な関係について説明します。
アルコールを飲みすぎると約1.3倍白内障になりやすくなる!?
さて、あなたはアルコールをどれくらい飲みますか?
「1日ビール350mlを2本」
「毎日、妻と2人でワインボトルを空ける」
人によってアルコール消費量は様々です。
ですが、そのアルコール消費量によって、白内障のリスクが上がってことご存知ですか?今回は”アルコール消費量と白内障は関係あるのか”ということに焦点を当てています。
今日の論文は2015年に東呉大学らのYu Gongらが書いた『Different Amounts of Alcohol Consumption and Cataract: A Meta-analysis(アルコール消費量の差と白内障:メタアナリシス)』です。
タイトルからも分かる通り、アルコール消費量がどの程度白内障に影響するのか、ということについてのメタアナリシスになります。なお、メタアナリシスが分からない方は、『タバコと白内障の意外な関係』の中ほどに簡単な説明があるので確認ください。
結論から言うと、
Heavy alcohol consumption (a daily intake of 20 g of alcohol or 140 g per week)significantly increased (1.26)the risk of age-related cataract, whereas moderate consumption (as less than 20 g of alcohol per day but more than never any. )may be protective (0.88)for this ocular condition.(一部改変)
つまり、
アルコール大量摂取者(1日20gあるいは1週間で140g)で白内障のリスクは1.26倍まで上昇するが、節度ある飲酒量(1日20g以下)はそのリスクは0.88倍まで下がります。
ところで、「アルコール20gってどのくらい?」と言う疑問の声が聞こえてきそうなので、
アルコール健康医学協会のHPを参考に、どのくらいのお酒を飲むとアルコール20gに摂取するのかをまとめました。
- ビール(アルコール度数5度)中びん1本500ml
- 日本酒(アルコール度数15度)なら1合180ml
- 焼酎(アルコール度数25度)なら0.6合約110ml
- ウイスキー(アルコール度数43度)ならダブル1杯60ml
- ワイン(アルコール度数14度)なら1/4本約180ml
- 缶チューハイ(アルコール度数5度)ならロング缶 1缶500ml
これを多いと思うか、少ないと思うかは個人差があると思いますが、事実としてこれら以上飲むと白内障のリスクが上がってしまうとこの論文では述べています。
アルコールを取りすぎは様々な病気を引き起こすことは何となくご存知かと思います。
白内障もまたアルコールが原因になり、特に1日20gあるいは1週間で140g以上は1.26倍も白内障になりやすくなることがお分かりいただけたと思います。
皆さんの飲酒量が1日どのくらいか見直し、節度ある飲酒量(1日20g以下)を目指してください。目を大事にしてくださいね。
それではまた!