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タバコと白内障の意外な関係 | オンライン眼科
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タバコと白内障の意外な関係

※この記事は喫煙者向けの記事です。

日本では喫煙スペースが徐々に減少し、ちょっとだけ”マシ”なIQOS片手に肩身の狭い思いでタバコをふかしている人も少なくないと思います。

さらに、「タバコは体の毒だからやめなよ」と家族に言われ、「禁煙しましょうね」と医師に言われ、ますます辟易としていることでしょう。そんな喫煙者の皆さんの首をさらに締める事実をここでご紹介します。

ごめんなさい。でも、事実なので許してくださいね。

今回ご紹介する論文は、2012年に発表された『Smoking and Risk of Age-Related Cataract: A Meta-Analysis』という浙江大学のJuan Yeらの論文になります。この『Smoking and Risk of Age-Related Cataract: A Meta-Analysis』を直訳すると「喫煙と加齢性白内障のリスク:メタアナリシス」となります。

「加齢性白内障…?」「メタアナリシス…?」

?マークいっぱいの方はこの記事を最後まで読んでいただければ必ず分かります。分かるはずです!なお、白内障については僕の記事でもまとめていますので一読してくださいね。

この論文を理解するための基本事項

さて、白内障は原因の多くが加齢によるものです。ですから、ここでは理解を簡単にするために加齢性白内障≒白内障と思っていただいて構いません。

このメタアナリシスでは、論文を選ぶ際に糖尿病性白内障等の可能性があるため、糖尿病患者等の除外をしています。

そして、メタアナリシスを簡単に言えば、「今まで色んな論文が出されたけど、結局何が真実なの?」を確かめるため、仮説の根拠になるいくつかの論文を集め、統計や解析をして結論を出すことです。

そして、現在の科学において、メタアナリシスの論文は最も信憑性が高いとされています。

喫煙は白内障のリスクになる

この論文で言いたいことは、

喫煙と白内障とのリスクを示した論文で、2012年の時点で最も信憑性が高い論文の1つ

と言えます。そして、その結論は

Ever smoking was statistically significantly associated with increased risk of ARC among cohort studies (OR 1.41, 95% CI 1.23–1.62) and case-control studies (OR 1.57, 95% CI 1.20–2.07). 〜 Current smokers were at higher risk of ARC than past smokers.

です。和訳すると、

今まで喫煙したことある人は、ない人に比べて約1.5倍白内障になるリスクがある。また、過去に喫煙していた人より、現在も喫煙している人の方が白内障のリスクがより高い

ということでした。こう述べると、

「タバコが悪いのは分かったけど、どうしてタバコが目に悪いんだ?」

という方もいらっしゃるでしょう。たしかに、タバコが原因で、どうして白内障になるのかは完全には分かっていませんが、この論文ではその理由について3つの仮説を述べています。

  1. 水晶体の酸化ストレス
  2. 水晶体へのカドミウム等重金属の沈着
  3. アルデヒド等による水晶体中のタンパク質変性

これら3つの作用により、喫煙が白内障の原因になると考えられています。このようにさまざまな機序によって、喫煙が白内障を加速します。

結論にもあるように、禁煙した人の方が白内障になるリスクは減ります。余計な病気にならないために、ぜひあなたもこの記事を機に禁煙してみてはいかがでしょうか。


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