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網膜格子状変性 | オンライン眼科
網膜とその疾患

網膜格子状変性

網膜格子状変性とは

網膜格子状変性は網膜裂孔や網膜剥離の発症に密接に関係している。一般人口の8%程度、網膜剥離を発症した眼の30%程度の頻度で認める。

境界明瞭で円形・楕円形・帯状など、様々な形態をとる。変性巣内部には同部位を交叉する血管が白線化して格子状に見えることがあり、それが名前の由来となっている。

格子状変性は赤道部やや後極部位から硝子体基底部後縁の間に位置することが多く、鋸状縁に平行に配列することが多い。好発部位は垂直子午線の上方と下方付近で、特に耳下側象限に最も高頻度とされる。逆に鼻側で観察される頻度は最も低い。

また、網膜格子状変性は20%程度の頻度で萎縮性円孔を伴うとされており、網膜剥離の原因になることがある。萎縮性円孔から発症する網膜剥離は、近視を伴う若年者の下方象限網膜に多くみられる。

ちなみに、萎縮性円孔から網膜剥離に進行するのは数%とされる。網膜格子状変性辺縁部は網膜硝子体癒着が強固であるため、後部硝子体剥離発症時に網膜硝子体牽引によって網膜裂孔を生じうる。

網膜格子状変性の診断

眼底検査で診断可能である。

網膜格子状変性の治療

下記リスクのない患者さんに対して加療をしても、網膜剥離を発症する頻度は変わらないため、特に治療は必要ではない。ただし、下記リスクが1つ以上あれば、予防的治療の適応となる。

  • 僚眼の網膜剥離の既往
  • 無水晶体眼あるいは眼内レンズ挿入眼
  • 高度の格子状変性を伴った強度近視眼
  • 網膜剥離の家族歴
  • 網膜剥離を合併しやすい全身疾患がある(Marfan症候群Stickler症候群、Ehlers-Danlos症候群)

1.レーザー光凝固

  • 2~3列の凝固斑で囲む
  • 凝固時間:0.2秒
  • 凝固サイズ:400~500μm(三面鏡)
  • 凝固出力:100~200mW

※淡い凝固斑が出る程度にして過凝固にならないように注意する。

2.冷凍凝固

レーザー光凝固で治療困難な鋸状縁付近の病巣、あるいは白内障や硝子体混濁によってレーザー透過性が悪い症例で適応となる。

手術方法は局所麻酔下で双眼倒像鏡で観察しながら、同じ部位を凝固しないように、病巣部を一列の凝固斑で囲む。凝固は網膜が淡く白くなる程度で、凝固後は結膜などを損傷しないように解凍するまでプローブを急に動かさないよう注意する。

網膜格子状変性の予後

網膜格子状変性は網膜剥離の発症に大きく関与するが、網膜剥離に至る症例は1%程度とされる。予防的治療のガイドラインはないが、上記の危険因子に加えて、患者背景などを考慮する必要がある。

参考文献

  1. 今日の眼疾患治療指針 第3版
  2. 眼科学第2版

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