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小児虐待 | オンライン眼科
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小児虐待

小児虐待とは

虐待を受けた児が生じる眼合併症として、虐待性頭部外傷(AHT)、眼窩底骨折、外傷性視神経症、外傷性白内障、水晶体偏位などがある。本記事では、虐待性頭部外傷について解説する。

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虐待性頭部外傷(AHT)

虐待性頭部外傷(AHT)とは

虐待性頭部外傷(AHT)には揺さぶられっ子症候群が含まれる。揺さぶられっ子症候群(SBS)では、虐待者が乳幼児の肩などをつかみ、児の頭を前後に強くゆさぶることで、完全に髄鞘化していない未熟な脳や眼球の網膜・硝子体・視神経に伝わり重篤な障害をきたす。

SBSはびまん性脳浮腫、急性硬膜下血腫、網膜出血が三徴候と言われているため、眼科併診となるケースがある。

このSBSによって生じる網膜出血は感度85%、特異度94%とされ、虐待死した頭部外傷の乳幼児の85%に認めている。SBSによる網膜出血は後極を中心とした広範囲で、多層性・多発性の網膜出血を認め、重症であれば網膜周辺部まで数えきれないほどの網膜出血を認める。さらには、網膜出血によって出血性網膜分離や網膜ひだを認めることがある。

これら網膜出血の重症度と頭蓋内損傷の程度は緩やかな相関があり、網膜出血が重ければ中枢神経の損傷は大きいとされる。

虐待性頭部外傷(AHT)の疫学

被害児は3歳以下が多く、特に1歳以下の乳児が多い。

虐待性頭部外傷(AHT)の対応

SBS以外にもTerson症候群で網膜出血をきたしうるが、SBSに比べて薄く点状出血が出現する程度である。そのため、上記の網膜出血を認めた場合、小児科医と連携として診察を進めていく。虐待が確からしいと判断した場合、医師はその旨を通告する義務がある

AHTの疑いがある場合は、淡い網膜表層出血は数日で自然吸収されるため、入院から24~48時間が望ましく、遅くとも72時間以内とされている。

AHTの死亡率は15~38%で、さらに生存しても30~50%に何らかの障害が残り、正常に回復する確率は30%に過ぎないとされる。また、生存しても15%は失明してしまう。

参考文献

  1. 今日の眼疾患治療指針第3版
  2. あたらしい眼科Vol.37,No.7,2020

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