おはようございます、doctorKです。
昨日の記事『糖尿病網膜症の悪化を防ぐ食事とは?』に引き続き、糖尿病網膜症に関する論文を見つけましたので紹介します。
僕のブログではこのように日常生活で役に立つ、目に関する情報を専門書や論文を交えて分かりやすく説明しています。
論文の内容
今日紹介する論文は2019年に武汉大学のXixi Yanらが発表した論文で、タイトルは『Does daily dietary intake affect diabetic retinopathy progression? 10-year results from the 45 and Up Study(普段の食事が糖尿病網膜症に影響するのか?)』となっています。
昨日紹介した『糖尿病網膜症の悪化を防ぐ食事とは?』と言う記事では地中海料理などが良いと説明しましたが、今回は非常に興味深い結果だったので説明します。
対象は50〜60代前半の8122人の患者で、平均して8.6年経過を見ています。結果は「Consumption of cheese and whole-meal bread could reduce the risk of DR progression 」となり、「チーズの消費量と全粒粉パンの消費は糖尿病網膜症の進行のリスクを減少させうる」と結論付けています。
「チーズなんて太りそうだし、パンも食べ過ぎは良くなさそう」
など思う方もいらっしゃるでしょうが、この研究ではBMIや女性などの影響が出ないように統計を取っています。
なかなかチーズと全粒粉パンが目に、特に糖尿病網膜症に良い影響をしているなんて想像しにくいかもしれませんが、8000人近くの研究で出てしまっては従わざるを得ません。
とはいえ、糖尿病網膜症の進行は失明の原因上位であり、今後も患者数は増加するでしょう。まだまだ世の中には広く知られていないためか、進行してから眼科にいらっしゃる方も少なくありません。
それではまた次回の記事でお会いしましょう!
参考文献
British Journal of Ophthalmology, bjophthalmol-2018-312990, 2019