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急性出血性結膜炎(AHC) | オンライン眼科
結膜とその疾患

急性出血性結膜炎(AHC)

急性出血性結膜炎とは

感染性の高い疾患で、エンテロウイルス70(EV70)コクサッキーウイルスA24変異株(CA24v)が原因となる。これらはRNAウイルスのため、遺伝的に変異する速度が速いため、世界的な大流行になったことが何度もある。国内で流行した際には中高生に発症が多く、学校閉鎖になることもある。

EV70は西アフリカ・ガーナ付近から出現後、1969~1970年の世界大流行を生じた。CA24vは1970年にシンガポールで流行し、15年間東南アジアおよびインド大陸で流行を繰り返していた。1985年になると当然爆発的に世界中に広がり、沖縄でも1985年、1994年、2011年に大流行を起こしている。

急性出血性結膜炎の特徴と診断

急性出血性結膜炎の特徴

  • 潜伏期間は半日~1日で、両眼性が多い。
  • 充血、眼瞼腫脹などで発症し、急性濾胞性結膜炎を呈する。
  • 球結膜の結膜下出血が特徴的(70~90%)である。
  • その他の症状には耳前リンパ節腫脹などがある。
  • しばしば点状表層角膜炎を合併する→発症時の痛み、異物感の原因となる。
  • 点状上皮下混濁を残すことはまれである。

Eye Rounds HPより引用

急性出血性結膜炎の診断

  • 病因の診断は培養細胞を用いた分離は不可能で、現在ではEV70とCA24vを同時に検出できるPCR法を用いて検出する。ただし、3病日以上からは陽性例が得られないので、早期の検体採取が必要となる。

急性出血性結膜炎の治療と予後

特異的な治療はなく、二次感染予防の抗菌薬点眼など流行性角結膜炎と類似する。約1週間で後遺症なく治癒する。

アポロ11号が月面着陸した年(1969年)の太陽のように赤い出血を特徴とする結膜炎のため“アポロ病”という俗称がある。

参考文献

  1. 眼科学第2版
  2. 今日の眼疾患治療指針 第3版

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