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Thygeson点状表層角膜炎とは
1950年にPhillips Thygesonが散在する点状の角膜上皮病変を点状表層角膜炎として報告した。結膜や角膜実質に炎症はなく、基本は両眼性で角膜上皮~実質ごく浅層に限局した再発性で多発性の点状病変である。男女差はなく、年齢も問わない。
※若年女性に比較的多いという教科書もある³。
Thygeson点状表層角膜炎の病態
ウイルス(ただし、水痘帯状疱疹ウイルスの分離例が1例のみ)やHLA-DR3との関連を示唆する報告もあるが、原因は明らかではない。
Thygeson点状表層角膜炎の症状
無症状の場合もあるが、症状がある場合は下記の症状を認める。
- 異物感
- 羞明
- 流涙
- 眼痛は稀
Thygeson点状表層角膜炎の診断
わずかに隆起した灰白色で類円形の点状病変が散在する。虫食い状ないし王冠を逆さにしたような辺縁がわずかに突出するように見え、その中の陥凹部の一部はフルオレセインに染色される病変が主体となっている。
やや強い混濁を呈する各病巣の中心部はfluo+だが、いわゆるSPKとは異なり、その染色性は乏しい。病変部以外の上皮は正常で、角膜中央部に発症することが多い。
AAO Eyewiki HPより引用
病理にてリンパ球浸潤を認める。
Thygeson点状表層角膜炎の治療
自然消退する傾向にあるため、軽症なら経過観察とする。自覚症状があるなら人工涙液、低濃度ステロイド点眼(0.1%FM1日4回)を用いるが、有効でないことが多い。数年にわたり再発を繰り返すことはあるが視力予後良好であり、角膜上皮内に病変が限局するため、病変が消退すれば瘢痕形成も認めない。
参考文献
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